『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』2022/2/19
養老 孟司 (著)
『バカの壁』、『唯脳論』、『ヒトの壁』などのベストセラーで有名な養老先生の読書ガイドで、本書に登場する書籍の一部を紹介すると、次の通りです。
『完訳 ファーブル昆虫記』ジャン=アンリ・ファーブル、
『建築する動物たち』マイク・ハンセル、
『理不尽な進化』吉川浩満、
『チョウはなぜ飛ぶか』日高敏隆、
『奇跡の脳』=ジル・ボルト・テイラー、
『リハビリの夜』熊谷晋一郎、
『「私」は脳ではない』マルクス・ガブリエル、
『文明崩壊』ジャレド・ダイアモンド、
『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果、
『場所原論』隈研吾、
『なめらかな社会とその敵』鈴木健、
『渋谷の農家』小倉崇、
『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』橋本治、
『人生があなたを待っている』H・クリングバーグ・ジュニア、
『医者、用水路を拓く』中村哲、
『天地明察』冲方丁、
『道程 オリヴァー・サックス自伝』オリヴァー・サックス、
『私のイラストレーション史』南伸坊 などなど
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一部、読んだことのある本も含まれていましたが、未読の本が大半で、興味津々で読みました。その中で、「これ読んでみたい」と思った本を紹介すると次のような感じ。
・『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』(吉川浩満)
(生物の進化や法則というけれど、じつは絶滅した種が99.9パーセントを占める。では、絶滅の方から進化を眺めるとどうなるのか?)
・『「奇跡の自然」の守りかた 三浦半島・小網代の谷から』(岸由二、柳瀬博一)
(全国的に里山運動が盛んだが、小網代の事例は都市近郊における保全の例として、ほとんど教科書的である。)
・『リハビリの夜』(熊谷普一)
(随意運動を手にするためには、既存の運動イメージに沿うような体の動かし方を練習するしかない、というのは間違いだ。それとは逆に、運動イメージのほうを体に合うようなものに書きかえるというやり方もある。私はこのような自分の経験を通して、規範的な運動イメージを押し付けられ、それを習得し切れなった一人として、リハビリの現場のみならず、広く社会全体において暗黙のうちに前提とされている『規範的な体の動かし方』というものを、問いなおしていきたいと思っている。)
・『カエルの声はなぜ青いのか? 共感覚が教えてくれること』(ジェイミー・ウォード)
(音がすると同時に色を感じる人がいる。これを色聴という。コオロギの声が赤く、カエルの声が青かったりする。一般にこうした感覚の共存を共感覚と呼ぶ。欧米でよく知られているのは、アルファベット文字に同時に色がついて見えるという事例である。どんな色がつくかは、人によって多少異なる。しかしデタラメということはなく、八割くらいの共感覚者が同じ色を見るという報告もある。)
・『計算する生命』(森田真生)
(計算という操作と理解との関係をめぐって、現代の人工知能に至るまでの歴史を平易かつ明快に語っている)
・『サピエンス異変 新たな時代「人新生」の衝撃』(ヴァイバー・クリガン=リード)
(人類のたどってきた長い歴史を踏まえながらの健康に関する考察。各パートの終わりに健康に関する忠告もあり)
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医学博士(解剖学者)で昆虫好きでも有名な養老先生なので、理系の本が多くて、とても参考になりました。読みたい本がどんどん増えていく一方なので、これらの本が読めるかどうか分かりませんが……とても面白そうなので、少なくとも「読みたい本メモ」には入れておきたいと思っています(笑)。
養老先生のファンの方はもちろん、読書好きの方もぜひ読んでみてください。
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