『図面って、どない読むねん! LEVEL 00 第2版―現場設計者が教える図面を読みとるテクニック―』2020/7/29
山田 学 (著)
図面に描かれている要素を詳しく解説してくれて、「図面を読みとるテクニック」を学べる本です☆ (なお、ここでいう「図面」とは、建築用の図面ではなく機械用の図面です。)
この本は「図面って」シリーズでもっともやさしい本ですが、「図面ってシリーズの中で、レベル00と最下位番号ながら、JISの作法を忠実に守って書くための「レベル0~レベル2」に加えて、JISにない作法は自分で考えてもよいという「レベルPlus+」を含めて、最上位に位置づけされる製図本です。」ということで、基本だけではなく、それ以上のレベルでも実務に必要な知識まで含めて教えてくれるので、これが「一冊あるとちょっと安心」できるほどに役立つ本だと思います。
「本書ではJISの作法(国際スタンダード)について解説すると共に、JISとは異なる現場の作法(デファクト・スタンダード)についても、“慣例的に現場ではこのような言葉を使っています。同様に解釈してかまいません”のように、建前だけで漠実務現場の本音についてまで言及しています。」だそうです。
図面の表記についてすごく幅広く具体的に教えてくれる本で、内容がとても専門的なので「ずぶの素人」がすぐ理解できるかどうかは分かりませんでしたが、少なくとも「ずぶの素人」でも、手元にある図面が何を意味しているのかについては、この本を参考に1つ1つ調べていけば、なんとか読み解くことが出来そうに感じました。
なんと次のように「図面の折り方」まで教えてくれます(本には、イラストで折り方の説明があります)。
1)基本折り:複写図を、一般的に折りたたむ方法
2)ファイル折り:複写図を、綴じ代を設けて折りたたむ方法
3)図面袋折り:複写図を、主に綴じ穴のあるA4の袋に入るよう折りたたむ方法
(※なお、図面の表題欄は、全ての折り方について、最上面の右下に位置して読めるように折ります。)
また、図面の輪郭線の外にあるアルファベットと数値は、道路地図でも利用されている「格子参照方式の記号」なのだそうで、説明がしやすいよう「図面上の区画分け」が表されているのだとか。
さらに、図面に使う線の種類には、「実線(じっせん)」「破線(はせん)」、「一点鎖線(いってんさせん)」、「二点鎖線(にてんさせん)」などがあり、機械図面図では、「破線」のことを「点線」と言ってはいけないそうです。
このように、図面の記号や表記法に関する説明だけでなく、それ以前の「基礎の基礎」というレベルまでも丁寧に教えてくれます。
それにしても……機械図面からは本当にいろんなことが読み取れるんですね。逆に言うと、この図面で誰もが同じものを作れるよう、必要な情報を正しい表記法でぎっしり詰め込まなければいけないということですね……。
「図面の読み方」の決定版! とも言えそうなほど、本当に実務に役立つ参考書だと思います。図面に関係する仕事を始めたばかりの新人の方はもちろん、新人を指導する立場の方や、基本を復習したいベテランの方にもとても参考になると思います。ぜひ一度読んでみてください。お勧めです☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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