『健康長寿の人が毎日やっている骨にいいこと──往診整形外科専門医が教える!』2023/10/23
古賀 昭義 (著)

「骨リッチ」とは、骨を強くすることで、人生が豊かになるという法則。「骨リッチ」になる方法を分かりやすく説明してくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 「強い骨」はリッチ(豊か)な骨=「骨リッチ」である!
第2章 「骨リッチ」になるための心構え
第3章 「骨リッチ」になる!7つの処方箋
第4章 往診整形外科専門医が教えている「骨リッチ」体操
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「第1章 「強い骨」はリッチ(豊か)な骨=「骨リッチ」である!」には、骨について次のことが書いてありました。
・「年を取ると筋肉が減っていくように、若いころには骨の中にみっしりと詰まっていた成分(カルシウムやたんぱく質)も徐々に減り、骨の量や、骨の密度(骨密度)が落ちてしまうのです。」
・「私たちの骨は常に新陳代謝を繰り返し、生まれ変わっています。
 骨の中にある「破骨細胞」という細胞が古い骨を溶かし(骨吸収)、「骨芽細胞」と呼ばれる細胞が新しい骨を作ります(骨形成)。このプロセスを骨代謝といいます。」
・「骨量・骨密度は、「加齢」や「閉経」のほかに、生活習慣からも大きな影響を受けます。
 主なものは、「骨の材料となるカルシウムやたんぱく質などの不足」「運動不足」「低体重」「タバコ」「大量飲酒」です。
 さらに「糖尿病」や「遺伝的素因」も関係しており、これらの因子を持つ人は骨粗しょう症になるリスクが高いことが、疫学研究で判明しています。」
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 ……なるほど。「骨を強くする」ためにはカルシウムのことばかり考えてしまいましたが、実はたんぱく質も大切だったんですね!
「第3章 「骨リッチ」になる!7つの処方箋」には、次の7つが書いてありました(本書にはもっとずっと詳しい説明があります)。
1)「骨リッチ」になるための呼吸法(深くゆっくりした腹式呼吸)
2)「骨リッチ」筋トレ(スクワット、背筋運動、腹筋、片足立ち、フロントランジ)
3)握力を鍛える
4)「骨リッチ」になる食事(カルシウム、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンK)
5)自律神経を整える
6)「骨リッチ」ダイエットのススメ(たんぱく質・カルシウムを上手にとる、骨に負荷を与える、代謝を上げる、日光を浴びる)
7)お医者さんに相談すべきこと(動脈硬化症、脂質異常症、高血圧、糖尿病、歯周病の予防など)
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 筋トレはともかく「握力を鍛える」とは? と不思議だったのですが、「握力は全身の見えない筋肉の量を反映するバロメーター」で、負荷が強めの運動を継続的に行っていれば握力もアップさせることができるそうです(握力で、筋肉がついたかどうかを判断できる)。
 また食事に関しては、「骨に良い4つの要素を手っ取り早くとりたい人は、サバ缶と納豆を欠かさず食べるようにするといいでしょうと診察時に説明しています。」と書いてありました。サバ缶は栄養関係の本でも推奨されているんですよね……食べようっと。
 そして個人的にとても参考になったのが、「第4章 往診整形外科専門医が教えている「骨リッチ」体操」。次の8つの体操が紹介されていました。(本書ではイラストを使って詳しく説明されています)。
1)「チョイつら」膝のばし
2)「ヨチヨチ」つま先歩き
3)「ドーン」とかかとおとし
4)「まっすぐ」木立のポーズ
5)空気椅子のポーズ
6)握力を強くする5つの方法(グーパー運動、ダンベルエクササイズ、壁立てふせ、ハンドグリップエクササイズ、ペットボトルエクササイズ)
7)足裏グーチョキパー運動
8)上級編 ブルガリアンスクワット
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「おわりに」には、次のように書いてありました。
「骨の強さは、骨密度(7割)+骨質(3割)です。
 高齢になってから、急に骨密度を増やすことはとても難しいです。
 しかし、本書で書いた「骨リッチ」を意識した生活を習慣にしていただければ、骨質は改善されていくのです。」
『健康長寿の人が毎日やっている骨にいいこと』……健康長寿のためには、バランスのとれた食事や運動を習慣化することが大切だということを、具体的に詳しく教えてくれる本でした。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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