『折り鶴クラフト おしゃれなアートと素敵な雑貨』2020/5/28
森本 美和 (著)

「基本の折り鶴」の折り方だけで素敵な雑貨やアートを作ることができる折り紙工作の本です。
「おりがみ……と聞いて、日本人が真っ先に思い浮かべるのは折り鶴ではないでしょうか。ほかの折り方を忘れてしまっても、折り鶴だけは忘れない……という方も多いようです。」と著者の森本さんも言っていますが、私もまさにその通り。折り鶴は千羽鶴や七夕飾りなどで折る機会も多かったし、子供にとっては兜などの他の折り紙より少し難しいので、頑張って何度も折って、ようやく覚えたからなのでしょう。
 だから折り紙で一番好きなのは、もちろん折り鶴☆ 何個折っても飽きずに折れそう……というより隙間時間があったら淡々と折っていたいかも。無心に手を使うことで、心身がリフレッシュできそうな気がします(工作好きだからかもしれませんが)。
 そういう方に最適なのが、この本! なんと主要なモチーフのすべてが折り鶴なのです☆
 例えば表紙の、手のひらに載る可愛らしい赤い花(ポインセチア)の鉢植。この花の部分はすべて赤い折り鶴で出来ているのです(笑)。左下の若竹は葉の部分が折り鶴。下の中央は「ミニミニ ボトル鶴」というタイトルでポンポンの上に小さい折り鶴が載っているもの。さらに右下は、赤い布ナプキンを折り鶴に折ったもの。
 こんな感じで、主要なモチーフ部分はすべて折り鶴。……なーるほど、そんな手があったか! と目からウロコでした。表紙のポインセチアも、一見すると(普通の)綺麗な赤い鉢植えだなーと思うだけですが、よく見ると、えっ、これ折り鶴なんじゃん! と気づいて楽しくなるような感じ。

 花菖蒲とか百合など色んな花も折り鶴で作っていますが、すごく「それらしい」花になるので驚きです(笑)。タンポポや胡蝶蘭など、花だけでなく葉まで折り鶴でできているものもありますが、違和感がほとんどないのです……凄いアイデアですね☆
 もっとも折り紙だけで作るのではなく、ストローや粘土、フローラルテープなど他の材料も使うことがあります(材料のほとんどは100円ショップなどで簡単に手に入るものばかりです)。
 モビールやつるし飾などもあり、これも色々なバリエーションのものが作れそう。つるし飾なんかは、幼稚園やリハビリ施設などでの共同作品にぴったりのような気がします。
 タンチョウという白い折り鶴に赤と黒のフェルトペンで着色した折り鶴は、さらに極細の小枝の脚をつけるだけで、本物のタンチョウ鶴っぽさがぐっと増しています。
 そして、カードを開くと折り鶴が飛び出してくるポップアップカードもあります。畳むと平面になる折り鶴の特性を活かした、すごく簡単にできるカードですが、模様入りの和紙などを台紙や折り紙に効果的に使うことで、とてもお洒落で素敵なポップアップ・カードになります。
 和装用の「下がり花髪飾り」も、女の子の浴衣用の素敵なアクセサリーになりそう。ちなみに、こういうアクセサリーなど、折り鶴の形をそのまま維持できるようにしたいものは、マニキュアや木工用接着剤でコーティングするといいそうです(より固く仕上げたいときは、UVレジンを使っても構わないのだとか)。
 いろんなアイデアのヒントをもらえる本でした。日本人にとって一番なじみのある「折り鶴」をモチーフにした工作の本。パーティなどで、みんなでワイワイ作るのも楽しそうです。ぜひ一度、眺めてみてください☆
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