『驚くほど伸びる 動的ストレッチ』2016/9/13
比嘉一雄 (著)

 眠った筋肉を「動かす」ことで覚醒させる動的ストレッチについて、総合的に教えてくれるエクササイズ本です。
「カラダの筋肉は単体で働くことはほぼありません。常に連動しながら動きます。動的ストレッチは、カラダを倒す、起こす、曲げる、ひねるなどの動きを加えながら、連動する筋肉を合わせて伸ばします。」
「連動する筋肉を総合的に伸ばすことができるため、慢性化した悪い姿勢や動きのクセをリセットしてカラダの不調を改善する、スポーツのパフォーマンスを高める、などの効果が得られるのです。」
 ストレッチは、筋肉とともに筋膜も伸ばすことが出来るそうです。
 そしてストレッチには、「動的」なものと「静的」なものがあり、動的ストレッチは、「能動的にカラダを動かしながら筋肉を伸ばすストレッチ」で、関節可動域を広げることが出来るのだとか。そして静的ストレッチは、「ゆっくりと可動域いっぱいに筋肉を伸ばし、その状態で静止するストレッチ」で、副交感神経を優位にしてカラダをリラックスさせる効果があり、運動後のクールダウンや就寝前など、カラダを休めたいときに適しているそうです。
 この本では、この動的ストレッチを「SLOW」と「QUICK」の二つに分けて教えてくれます。
「QUICK」は、速く動かして反動をつけることで、筋肉を刺激しながら伸ばすストレッチで、交感神経を優位にさせるため、スポーツの準備体操に最適。
 そして「SLOW」の方は、ゆっくり動かしながら筋肉を伸ばす(静的ストレッチとQUICKの間)もので、関節の動きがスムーズになるため、日常の動きのクセや姿勢をリセットでき、肩こりや腰痛などのカラダの不調改善に効果があるそうです。

 この本は、これら嬉しい効果のある動的ストレッチを、首・肩など全身の部位別に、写真で解説してくれます。
 この動的QUICKストレッチは、見た感じ「運動」そのもので、いろんな意味で健康効果がすごく期待できそうですが、筋トレとどこが違うのだろう? もしかして筋トレにもなるのでは? と思ってしまいましたが、筋トレとは「強度」が違うようです。
「動的QUICKストレッチは、交感神経を優位にしてカラダに「これから動かすぞ」と認識させる効果があります。Aさんのすべての筋力が100だとすると、限りなく100に近いパフォーマンスを発揮するためのアプローチが動的QUICKストレッチです。
 一方筋トレは、筋肉に負荷をかけたトレーニングによって、筋肉を強く、硬く増強していきます。筋トレの最大の目的は、Aさんの100というMAXの筋力を、120、130とさらに上げることです。」
 ……なるほど、そんな違いがあったんですね。
「効果的に運動するためには、カラダを準備させる動的QUICKストレッチ→筋肉を鍛える筋トレ→カラダを休める静的ストレッチの順番で行うことをおすすめします。」だそうです。
 全身の動的ストレッチ法を教えてくれる本でした。嬉しいことに、巻末には「貼って使える ストレッチ活用表」という大きめ(3ページ分)のポスターがついています。動的ストレッチの概要が分かる写真と、スポーツごとの動的ストレッチの推奨メニューが掲載されているので、ある程度、動的ストレッチの具体的方法が身についてきた後は、いちいち本の内容を確認しなくても、このポスターだけで動的ストレッチを行えるようになると思います。
 とても使える「動的ストレッチ」のエクササイズ本でした。スポーツ前の準備運動として、今後活用したいと思います。みなさんも、ぜひ一度眺めてみてください。
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