『生まれるまでの9か月』2015/11/11
ジャン・マルク フィス (著), Jean‐marc Fiess (原著), みた かよこ (翻訳)

子どもが生まれるまでの9か月、名前を考えて、姿を想像して……優しい時間を過ごしながら季節が移ろっていくさまを描いた、素敵な飛び出すしかけ絵本です☆
全体に「白い」絵本で、色彩は派手ではありませんが、飛び出すしかけやアイデアはかなり凝っている大人向けの絵本です。
ページを開くと、短い詩のような文章と、そのイメージにふさわしい風景などが立ち上がってきます。9か月の時間の経過が、しっとりと静かに暖かく表現されていて、眺めていると心が癒されてきます。優しさに溢れているので、子どもが生まれるのを待ちわびている妊婦さんへの贈り物としても最適だと思います。
(なお、仕掛けが少し複雑なので、私の購入した絵本の場合、街路樹の雪の結晶や、ベビーベッドの飾りが絡まっていたり、貼りついていたりしました。貼りついている場合は、丁寧にほどいてあげましょう。ベビーベッドの飾りは十文字になるように調整すると、より見栄えがよくなります。)

・1~2ページ目:「あなたは おおきな なみに たちむかい、」ページを開くと、北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」のような大波と鯨の尻尾が立ち上がります。
・3~4ページ目:「くもの うえから みわたして、」ページを開くと、白い雲海の上を飛ぶ小さな飛行機が飛び出します。
・5~6ページ目:「あたらしい せかいを つくるだろう。」ページを開くと、「みわくのとち」を建設中の赤いクレーンなどが立ち上がります。
・7~8ページ目:「オオカミを おそれることはない。」ページを開くと、深い緑の森(下に遠吠えするオオカミ)が立ち上がります。
・9~10ページ目:「でも まようことは あるだろう。」ページを開くと、螺旋の迷路のような道路網(黄色い車)が立ち上がります
・11~12ページ目:「あなたの なまえを かんがえて……」ページを開くと、アルファベットの文字が飛び出します。
・13~14ページ目:「あなたの すがたを そうぞうして……」ページを開くと、サーカスの見世物小屋(かがみのきゅうでん)が立ち上がり、穴から中を覗き込むと何層かの鏡が……。
・15~16ページ目:「あなたを ずっと まっていた」ページを開くと、緑のベンチと落葉する街路樹が立ち上がります。(落ち葉2枚が揺れています)
・17~18ページ目:ページを開くと、緑のベンチの周囲が、雪の積もった街路樹、雪だるまに変わります。(雪の結晶3枚が揺れています)
・19~20ページ目:ページを開くと、緑のベンチの周囲が、花畑とツバメの飛ぶ青葉の繁る街路樹に変わります。(ツバメ1羽が飛んでいます)
・21~22ページ目:「さあ、めを あけてごらん」ページを開くと、吊り下げ飾りのあるベビーベッドが立ち上がります。中で赤ちゃんが眠っています。(吊り下げ飾りには、黄色い車や飛行機、雪の結晶など、それまでに登場してきた8個のものが勢ぞろいしています。)