『スーパービジュアル再現 消えた巨大生物』2019/6/20
エマニュエル・グルンドマン (著), & 4 その他

 ビッグすぎる古生物をビジュアル化(精細なCGで巨大動物たちの姿、環境を再現)。恐竜絶滅後から現在まで、巨大生物の歴史を一望している本で、フランスを含む5カ国で放送されたテレビドキュメンタリー番組『消えた巨大生物の謎』をもとにしています。
 巨大トカゲ、巨大ナマケモノ、巨大サイなど、驚くような巨体が次々登場。メガラニア、ティタノボア、バルキテリウム、リヴィアタン、メガロドン、フォスファテリウム、マンモス、ケブカサイ、ギタントピテクス。そして生き残った巨大生物クジラ……精細なCGのおかげで、消えた巨大生物がまるで生きているかのような感じ! クジラやゾウなど、現在でも生きている巨大生物の写真も掲載されていますが、CGが本物っぽ過ぎて、どれが消えた生物なのか、ちょっと分かりにくい感じもしてしまうほど……(汗)。とても迫力があります。

 さて、私たちの地球では、これまで何度も生物の大量絶滅がありました。その主な原因は気候の大変動(火山の大爆発や隕石の落下も、気候の変動に繋がっています)。私たちの大好きな(?)巨大恐竜たちが滅んだのも、隕石の落下による気候変動が主な原因だと言われています。
 この本は、そんな巨大生物の歴史をじっくり眺めることが出来ます。
 そもそも生物はどうして巨大化したのかという原因にも、気候変動が影響しているようです。この本には、次のような記述がありました。
「急激な気温上昇の時期を伴う地球規模の温暖化が連続して起こり、この新しい進化の動きを下支えした。」
「草食動物の中に、環境に適応して巨大化するものが現れる。大きな体は捕食者から身を守る防御策として有効だ。」
 そして草食動物の巨大化に対抗するように、捕食者たちも巨大化していったのだとか。
 海の生物は「浮力」のおかげで巨大化できた面もあるようです。
「巨大化に関していえば、発掘された化石によって、水性生活への完全な適応と、体格の巨大化に強い相関関係があったことが示されている。」
 ここでは、なんと体長が15メートルほどに達するリヴァイアタンの巨大な「歯」を見ることが出来ました。それは「最大で長さ36センチ、直径12センチという歯は、化石、過去、原生、海、そして陸上を含め、すべての脊椎動物の中で記録的なものだ。」とか! こんな奴とは絶対に出会いたくないものですね(怖っ)。
 このように、一見「最強」にも見える巨大生物ですが、実は環境の変動の前では「最弱」だったようです。そもそも彼らはその巨体を維持するために多くの食料(エネルギー)を必要としているので、気候変動で植物や生物が減少(変化)していくと、真っ先に死んでいくことになるのです。
「メガロドンの歴史から私たちが学ぶべきことは、たとえ体が大きく獰猛で、何百万年も海を支配した生物でも、状況が変化したときに進化して新しい状況に順応できなければ姿を消すことになるということです。」
 巨大生物の姿を見ることが出来るだけでなく、その歴史も学ぶことが出来る本でした。古代生物や巨大生物に興味のある方は、ぜひ眺めてみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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