『かんたん! 楽しい! 手作りの万華鏡』2014/7/4
照木 公子 (著)
不思議な万華鏡の世界を紹介してくれる本です。しかも、なんと「すぐに作れる「合わせ鏡の万華鏡」キット」も付いているので、この本だけで、実際に万華鏡を作ることも出来ます。
この「すぐに作れる「合わせ鏡の万華鏡」キット」には、半透明のプラスチックシートに、銀色の細長い長方形の鏡2枚と、幅広い両面テープが貼りついているものが、一枚入っていました。本の表紙の左上に小さく三つの長方形のものが写っていますが、それが、この本で作れることが出来る「合わせ鏡の万華鏡」です。表紙写真だとカラフルなカバーがつけられていますが、実際のキットは半透明のプラスチックカバーがついているだけなので、このカラフルなカバーは自分で用意した好きなものを被せていることになります。でも、すごくシンプルな形をしているので、半透明のプラスチックカバーだけでも、とてもお洒落に見えます。
作り方も超簡単です。プラスチックシートから万華鏡になる部分を外して、すでに折線が入っている部分をさらに折り曲げて、くるっと丸めて両面テープで止めるだけ! すると、なんだか長財布(または超薄型眼鏡ケース)みたいな形のものが出来上がります。万華鏡というと円筒型の細長い筒に、三角柱の鏡(三枚)が入っているものをイメージしていたので、この形には驚きました。しかも鏡も二枚だけ……本当にこれで万華鏡になるの?
本の冒頭には、この「合わせ鏡の万華鏡」で見ることのできる万華鏡の事例写真がフルカラーで掲載されているのですが……本当にこんな「普通の万華鏡」で見るような、円形の美しい模様が見えるのかなー、と半信半疑でキットの万華鏡の端から覗いてみたら……なんと、本当に美しい万華鏡模様が! これは凄いと感動してしまいました(笑)。
そして本の中には、ちゃんと「2ミラーの映像が円形に見えるわけ」の説明もありました。
「2ミラーは3本のミラーのうち1本を反射しない材質にすることにより、虚像が周囲に広がらず、反射をくり返した形が円形状の閉じた形になる」のだそうです。なるほど……確かに、この説明通りに「円形」になっています。ちなみに三角柱の万華鏡の場合は、「ミラーを3枚にすることで、映像が無限に広がるようにしたもの。光のエネルギーは反射をくり返すと弱くなるので、外側の方が暗くなる」という説明があり、下にその見え方の事例写真がありました。そうか……3枚だと、外側までずっと広がっていく万華鏡になるんですね!
このように「美しい万華鏡の見え方の写真」「美しい万華鏡の写真」の他に、万華鏡の原理や種類も説明してもらえる総合的な万華鏡図鑑でした。
この万華鏡のカラー写真たちは、「すぐに作れる「合わせ鏡の万華鏡」キット」を通して見るときの「素材」としても使えます。とても綺麗でした。
またこの手作りの「合わせ鏡の万華鏡」は、両端が開いているので、これを通して自分の部屋を覗いてみても、面白い映像を楽しめます。カーテンの違う美しさを発見できました(笑)。
とても楽しくて美しい万華鏡の本でした。お勧めです☆