『日経業界地図 2018年版』2017/8/26
日本経済新聞社 (編集)

さまざまな業界ごとに、企業の提携・勢力関係や、今後の見通し、注目のキーワード等を、ビジュアルに解説してくれる業界地図です。
巻頭には、特集記事として「IoTで世界を変えるFANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)と日本企業の戦略」で、新しい産業の動向についての簡単な解説があり、「世界シェア57品目」「日本シェア100品目」で、産業ごとの世界・日本のNo.1企業(シェアの円グラフ)が一目で分かる他、「業界研究の基本」で、業界研究をする時にはどこに着目すべきかを簡単に教えてもらえます。
そして「業界地図」の最初は、「注目業界・テーマ」として、「シェアリングエコノミー」「宅配クライシス」「自動車の自動運転」「人工知能」「フィンテック」「仮想通貨」「ビッグデータ」「サイバーセキュリティ」「IoT」「個性派家電」「東芝グループの現在」「VR・AR」「動画配信サービス」「サービスロボット・ドローン」「訪日外国人」「東京オリンピック・パラリンピック」「インフラ改修」「再生医療」「後発医薬品」「花粉症」「4K・8Kテレビ」「スマートフォン」「アップル」「格安スマホ、格安SIM」「LINE」「SNS・無料通信」など注目の新規業界やトピックスが特集されていて、それぞれの簡単な概要とともに代表的企業名も書いてあるので、ニュースなどでよく耳にする最新テーマについて、幅広い基礎知識を知ることが出来ると思います。
その後は、「自動車・機械・造船」「電機・精密・通信」「環境」「エンタメ・メディア・コンテンツ」「素材」「医薬・食品」「流通・小売」……など各業界の代表的な企業、基礎知識などが簡単に解説されています。これらの企業には、「売上高」「初任給」「従業員数」「平均年齢」などが書いてあるものも多く、各業界の現状をざっくり把握するのに役に立つと思います。
そして巻末には「トヨタグループ」「パナソニックグループ」など日本を代表する大企業を構成する企業名がありました。
また付録として、「いまさら聞けない経済ニュース」という冊子も付いていて、「働き方改革」や「ヤマト運輸の値上げ」「人工知能」「シェアリングエコノミー」などについてQA形式の簡単な解説やテストがあり、これも現在の日本の社会状況を知るのに役に立ちました。
一通り読むだけで、日本の社会や産業(業界)の現状を広く浅く知ることが出来る本だと思います。これから就職を考えている学生の方や、現在の日本の産業状況を全体的に概観したい社会人の方には、特に役に立つのではないでしょうか。
なお、私が読んだのは2018年版でしたが、この本は毎年改訂版が出るようなので、購入する場合は、その本が最新版かどうかを確かめて下さい。