『老いは止められる』2020/9/10
池谷 敏郎 (著)

 血管をケアすることで、本当に健康的な若々しさを手に入れる方法を教えてくれる本で、内容は次の通りです。
序章 老けている人、若く見られる人は何が違うのか
1章 「老化する行動」で人はなぜ老けるのか
2章 老いを止める食事
3章 老いを止める運動
4章 老化を止める生活習慣
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 血管は全身の皮膚に必要な栄養や酸素、水分を運び、同時に老廃物を回収する働きを行っています。そして老化の原因は、次の5つなのだとか。
1)血管の酸化と糖化
2)内臓脂肪と皮下脂肪の増加
3)筋力低下による姿勢の老化
4)脳と神経の劣化
5)精神的な老化
 このうち「脳と神経の劣化」に関しては、動脈硬化と、高血糖によるインスリン過剰分泌が主な原因のようです。「動脈硬化」は脳卒中や脳梗塞につながりやすいそうで、「高血糖によるインスリン過剰分泌」に関しては、アミロイドベータを分解する酵素はインスリンも分解しているので、高血糖だとアミロイドベータを分解する分がなくなってしまうという説明がありました……ふーん、そうなんだ。(なお、アミロイドベータは脳内で作られるタンパク質の一種で、過剰に溜まることで脳機能が低下し、認知症の発症の原因となるといわれています。)
 また睡眠不足も良くないようです。アミロイドベータは睡眠中に脳脊髄液で洗い流されているので、睡眠不足だとアミロイドベータが十分に掃除されずに脳内に蓄積してしまうそうです。
 そして「老いを止める、若返る! 池谷式最新メソッド!」も教えてもらえました。その概要は次の通り(もちろん本文中には詳しい解説があります)。
1)食事の最初は大豆か野菜を食べるだけ!
2)魚は缶詰などで積極的に摂ろう
3)コロナ太りにキツイ運動はいらない。「ついで」で十分
4)よい睡眠が老化を止めてくれる
5)入浴も血管若返りのチャンス!
6)日焼けは全力で防備する!
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 ……「日焼け」の部分以外は、ほぼ一般的な健康法と同じような感じで、すでに実行済(日焼け防止も)のことが多かったので、安心しました。
 でも魚はそれほど積極的に摂っていなかったので、これからは食べるようにしようと思っています。缶詰やお刺身でもいいようなので、それなら実行しやすそう。(魚はEPA/DHAが豊富で、EPA/DHAは最強の血管若返り薬だそうです)。
 それと大豆は確かに健康に良いと言われていますが、摂り過ぎは良くないんじゃなかったっけ? と思って調べたところ、「1日イソフラボン摂取目安量75mgまで」とか、「大豆の1日の摂取量は約100g」というのが一般的なようです。もっとも日本人は昔から大豆をかなり食べてきているので、あまり気にしなくてもいいのかもしれませんが……。とにかく摂り過ぎないよう注意しつつ、毎日食べるようにしたいと思っています。
 それと個人的には、運動は少しキツめの方がいいような気がします。身体が弱っていて出来ない人は「ついで」程度に抑えるべきだと思いますが、そうでない人は、少しキツい程度に運動した方が、良い睡眠につながるというのが実感です。運動はストレス解消にも役立つし、習慣にすると「健康にいいことして頑張っている」気がすごくして、楽しいですよ☆
「老いを止める、若返る! 池谷式最新メソッド!」を教えてくれる本でした。とても分かりやすくて参考になるので、みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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