『図解「血管を鍛える」と超健康になる!―血液の流れがよくなり細胞まで元気』2018/4/20
池谷 敏郎 (著)
「強い血管」のつくり方を、とても分かりやすく教えてくれる本です。
冒頭には次のように書いてありました。
「(前略)血管には素晴らしい回復能力が備わっていて、いったん「硬く、狭く、もろく」なってしまっても、「しなやかで、詰まりにくく、切れにくい」血管によみがえらせることができるとわかってきました。
それに大きく関わっているのが血管内で分泌される「NO(一酸化窒素)」という物質です。」
え? NO(一酸化窒素)? これって初耳……でしたが、NOには次の働きがあるそうです。
1)血圧を安定させる
2)傷ついた血管を修復
3)動脈硬化を予防
わー、とっても大事なものですね!
実はこのNOは、「血管内皮細胞」で分泌されるものなのだとか。だから体内で自然に分泌されているものなのですが、「血管内皮細胞」を活性化させてNOの分泌を促すことも出来るようです。
まずは「有酸素運動」。有酸素運動で筋肉を動かすと、筋肉からは「ブラジキニン」という物質が分泌され、これが「血管内皮細胞」を活性化させてNOの分泌を促すそうです。そのための運動の方法が数種類、イラスト付きで紹介されていました(ふくらはぎ体操、腕クロス体操など)。また、1分間正座(1分間正座したあと足を延ばしてリラックスする、を数回繰り返す)も効果的なのだとか。なんと「正座」は「加圧トレーニング」になるそうです……なるほど、確かに(笑)。
そして運動(10分程度歩く、でもいい)は、食後30~60分が効果的だそうです。その理由は、食後に運動して血液中のブドウ糖を使うと、高血糖状態が早め改善されて中性脂肪へ合成される量が減り、血管力のサポートになるから……なるほど、説得力ありますね……。
また食事としては、「青魚(EPAを多く含む。サンマ、本マグロ、ブリ、まいわし。水煮缶でもいい)とチーズ」、「サラダ油やコーン油(オメガ6系脂肪酸)を減らし、アマニ油(オメガ3系脂肪酸)などを増やす」、「カリウムを多く含むアボカド、ほうれん草など」、「水溶性食物繊維を多く含むにんにく、オクラなど」、「抗酸化作用に優れたトマト、タマネギ、りんごなど」などが紹介されていました。
この他、喫煙しない、ストレスをためない、良質の睡眠をとる、なども良いそうです。
……要するに、ごく普通に「健康に良い」と言われていることを実行することが、当たり前ですが、「血管にも良い」ってことですね☆ これらのことは健康のために、すでに実行中のものが大半だったので、ちょっと安心しました。
「血管を鍛える」と超健康になることを教えてくれる本でした。ごく一般的な健康法とほぼ同じなので、この本で教えてもらえる方法を実行すると、血管だけでなく身体全体も健康になれると思います。
他にも、「突然死」危険度のチェックとか、動脈硬化の最新医学知識、池谷式若返り食事法など、いろいろ紹介されていて、とても参考になります。
健康が気になる方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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