『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』2020/10/5
田中奏多 (著)

 多忙な毎日でも、脳ネットワークを調整してパフォーマンスを発揮する睡眠法を教えてくれる本です。
 田中さんは、磁気で脳ネットワークを調整するTMS治療(経頭蓋磁気刺激法)の専門家なのですが、この本では、TMS治療で行う脳の調整を自分で実践する方法を教えてくれます。機械や薬を使わずに「食事・睡眠・運動」で行う方法なので、むしろTMS治療よりも安心してできる方法のような気がしました。
 方法の一例を紹介すると、次のような感じです。
・毎朝同じ時間帯に5分以上太陽の光にあたると、睡眠のリズムは安定するようになります。
・起きる時間を一定にしたほうが身体のリズムは整います。
・計画仮眠は30分を超えて寝てしまうと深い睡眠に入りやすく、夜の睡眠に影響するようになります。
・夕方の運動は深部体温を上げることにつながり、夜眠るときに深部体温が下がりやすくなり、夜の深い睡眠をつくります。
・寝る2時間前にお風呂に入りましょう。
・夜の間食にはナツメがおすすめ(ビタミンやミネラルが豊富)
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 そして運動でお勧めなのは「1日6000歩以上のウォーキング」など。意外に簡単な方法でした。通勤通学をしている方は、その途中で歩くようにすると効率的かもしれません。
 また隙間時間で出来る、次の「15秒マインドフルネス」も参考になりました。
1)背筋を伸ばす
2)口から吐いて鼻で吸い込む
3)空気の広がりを胸やお腹で感じる
(15~20秒、呼吸に注目し過緊張をなくす)
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 その他にも、次のような「キリの「悪い」ところで休憩する」など、いろいろなコツがありました。
「キリの良いところまでがんばって、集中力が下がるまで続けるのではなく、下がる前に仕事に集中しているキリの悪いところで止めたほうが休憩後もすぐにリズムに乗って集中でき、能率がよくなります。」
 健康に眠る(生きる)ための方法を、いろいろ教えてくれる本でした。
「睡眠は日中の生産性を高める「攻めの投資」であり、健康寿命を延ばし、将来の病気や不定愁訴の予防を行い、医療費を下げる、健康とお金の「守りの投資」にもなります。」
……まさにその通りだと思います。
 この本で教えてくれる内容は、他の健康法の本でも見るようなものばかりでしたが、それだけに、むしろ安心して続けられそうに感じました。ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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