『図解 身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本』2019/1/24
左巻 健男 (著)

 身近にあふれる微生物の不思議を、Q&A形式で分かりやすく解説してくれる本です。ちなみに「微生物とは、「目に見えないほど小さい生物」のことをまとめた言い方です。微生物には、細菌、菌類(カビ、酵母、キノコ)、ウィルスなどが含まれます。」だそうです。
 この本には結構、ぎゃー!な話がいっぱいあります。例えば、普通の家のリビングには、すごい数の細菌がいるのだとか(涙)。
「花王の調査によると、リビングのほこり1グラムあたりには、およそ260万個もの細菌が含まれているとのことです。」
 うへー……。しかも米コロラド大学の研究者が調査した結果によると、家庭のほこりのなかに9000種もの細菌や菌類などが生息していることが分かったのだとか! でも、ほとんどは無害なものだったそうですが……。
 もっとも微生物は、家のリビングにたくさんいるだけではありません。私たちの体内にも、たーーくさんいるのです。
「私たちが胎内にいるときは無菌状態でした。ところが生まれた瞬間から私たちは菌にまみれて一生を過ごします。とくに皮膚や消化管内などには、様々な細菌やカビなどが定着します。」
「人体に存在する細菌やカビのことを常在菌といいます。(中略)もっとも多くの種類がいるのは大腸を中心とした消化管内で60~100種類、約100兆個いるといわれています。口の中には100億個、皮膚には1兆個います。」
 うん……気づかないうちにリビングにそれだけの微生物がいるなら、体内にだって、そりゃたくさんいるだろうさ……。このあたりまで読み進めると、微生物は身近にいて当然、それでも害がないなら別にどうだっていいさ、という開き直った態度になってきます(汗)。まあ健康に興味があれば、「腸内フローラ」が大事だということは常識だし、体内に微生物がたくさんいることは、とっくに知っていたんですけどね……。ただ、あらためて数値で教えられると、やっぱり、なんか愕然としてしまうだけで……(汗)。
「腸内フローラ」に代表されるように、体内の常在菌は私たちの健康には欠かせないものです。この本にも次のような記述がありました。
「常在菌はホストの摂取する食物やホストが排泄する分泌物などを栄養分として発育します。なかには、ホストに必要なビタミン類をつくって提供するものもいます。また外から体内に入ってくる菌、とくに病原細菌に対して、これらの感染を防ぐ役割をも果たしています。さらに常在細菌はホストの感染抵抗力・免疫応答力を増強するはたらきもあるといわれています。このように、基本的に常在菌は私たちの味方になってくれる存在なのです。」
 こんな感じで、私たちの身近にあふれる微生物について、いろいろなことを分かりやすく教えてくれる本でした。この他にも「食べ物と微生物」「病気と微生物」など、興味深い情報が満載です。内容は次の通りです。
第1章 「微生物」ってどんな生物なの?
第2章 人間と一緒にくらす「常在菌」
第3章 「おいしい食品」をつくる微生物
第4章 「分解者」としての微生物
第5章 「食中毒」を起こす微生物
第6章 「病気」を起こす微生物
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 身近にあふれる微生物たち、ほとんど目にも見えないし、知らなくても生きるのにそれほど支障はないようにも思いますが、知っておくと「食中毒」などの病気を予防するための知識も得られるし、いろいろな面で役に立ちそうな気がします。読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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