『一瞬で心を「切り替える」技術』2012/6/14
辻 秀一 (著)
一流のスポーツ選手たちは、なぜ、どんなときでも心を切り替えて、自分の最大のパフォーマンスを出せるのか? 数々のチームを勝利に導いたスポーツドクターの辻さんが、最高の自分を発揮する方法を教えてくれる本です。
人にはいつも何かしらの「心の状態」が存在していますが、この心の状態には、「フロー(機嫌がいい)」と「ノンフロー(機嫌が悪い)」の二つしかないそうです。そして、心が「フロー」なら、人間のあらゆる機能は、「エクセレンス」に傾くのだとか。この本では、「ノンフロー」に陥ったときでも、自分を「フロー」の状態へ導くための、次の15の方法を教えてもらえます。
1)フローの価値を考える力
2)自分の心は自分で決める力
3)感情に気づく力
4)意味づけに気づく力
5・6・7)自分のために「言葉・表情・態度」を選択する力
8)「今に生きる」と考える力
9)「好きを大事にする」と考える力
10)「チャレンジする」と考える力
11)イメージする力
12)「一生懸命」と考える力
13・14・15)「与える」と考える力(感謝・リスペクト・応援)
*
この本のタイトルは、『一瞬で心を「切り替える」技術』ですが、普段の努力なしに「一瞬で」切り替える方法を教えてくれるわけではなく、普段、これらの方法を利用して、自分の心を「フロー」に切り替える努力を続けて習慣化していれば、「一瞬で切り替えられるようになる」そうです。だから、これは、スポーツや音楽のような「練習で習得できる技術」とも言えるでしょう。
個人的に「なるほど」と感じたのは、「2)自分の心は自分で決める力」。「ノンフロー(不機嫌)になった理由を「環境・経験・他人」のせいにすることは、自分の心を自分で決める気がないんだと、自分自身に言い聞かせていくことになってしまう」のだそうです。世の中には「イヤな雨」や「大変なトラブル」などはなく、ただの「雨降り」や「トラブル(問題)」があるだけなのに、自分でそれに「イヤ」な意味づけを与えているだけなのだとか。……確かに、「イヤだ」と意味づけしても雨が止んでくれるわけもないのだから、不機嫌になってもしょうがないですよね……。
これらの「気持ちの切り替え方」を、日々繰り返しトレーニングするのは大変そうですが、そのためには「手帳」を活用するといいそうです。1日1分でもいいので、機嫌がよくなる「フローワード」や、周囲の人の名前と「ありがとう」の言葉を「考えて」「手帳に書く」のだとか。その具体的な事例もあるので、それを参考にして、やってみるといいと思います。
日常、ちょっとしたことで不安になったりイライラしたりしている方は、読んでみてください。気持ちを切り替えるためのヒントを、何か得られるかもしれません。
<Amazon商品リンク>