『呼吸ひとつで「怒り」「イライラ」がすっと消える本』2012/8/24
椎名 由紀 (著)
怒るから呼吸が乱れるのではなく、呼吸が乱れているから怒りが止まらず、イライラに振り回される……呼吸をととのえることで、人生を良い方向へ変える方法を教えてくれる本です。
著者の椎名さんは15年にわたる心身の絶不調(肩こり、便秘、イライラ、慢性の頭痛、冷え、関節痛など)から、禅の呼吸ひとつで奇跡の生まれ変わりをとげたのだそうです。
私自身は「すごくへこむ」ことはあっても、あまり「怒りに我を忘れる」ことはなかったので、体が不調になるほどの怒りやイライラが起こる時には、「運動する」とか、身体をつかった他のことをやればいいのでは? などと単純に考えていたのですが、椎名さんの場合、水泳部で全身運動をしていた頃から絶不調だったそうで、単純に「疲れるほど運動する」だけではダメなようです(汗)。完璧主義者だった椎名さんは、他人に、そしてそれ以上に自分に厳しかったのですね……。
この本で椎名さんは、怒りを感じた時には、「ため息」をつくことを勧めています。
「カッときたら、ゆっくり深いため息をつく。ここから始めます。ため息に心を向けると、怒りが遠のきます。怒りを一瞬忘れられるのです。人は、二つのことを同時には考えられないのです。ため息は「ためこんだ気」、体の中にたまった、老廃物たっぷりの「悪い気」です。呼吸は、息をまず「吐ききる」ことが大切、呼気(吐く息)によって、老廃物も体外に排出されます。(中略)息を吐ききれば、吸う息は自然にたっぷり入って、酸素が体のすみずみまでめぐり、約60兆個の細胞がリフレッシュします。」
……なるほど。怒りを感じたときには、6秒間じっと我慢すると感情の爆発を抑えられるそうなので、深いため息には6秒間の時間稼ぎの効用もあり、すごくいい方法だと思います。
この呼吸法を椎名さんは、「ふんわり深呼吸」と名付けていて、その「姿勢」や「腹式呼吸」の具体的なやり方を、イラスト入りで説明してくれています。
そして「ふんわり深呼吸」が上手に出来るようになったら、イメージ力を追加してパワーアップした「ZEN呼吸法」にトライすると、さらに効果が上がるようです。
「ZEN呼吸法では、「息をゆっくり吐いていく時に、栄養たっぷりのお薬バターが頭の上から体内に浸透して、体を癒しながら内側から温めていく」というようなイメージをします。」
……なんだか、すごく体が温まりそうで気持ちよさそう。瞑想効果もありそうですね☆
これらの呼吸法の解説の他、「アンガーマネジメントの技術」など、怒りやイライラをエスカレートさせない方法の紹介もしてくれます。
ストレスが多くて身体がつらい……運動がいいというから、運動してみたいけど、身体がつらくて運動もできない……と感じている方は、まずこの2つの呼吸法を試してみてはどうでしょうか。そして腹式呼吸で、カチカチの体がやわらかくなってきたら、少しずつ運動も始めると、自分の心や体の状態を、よりいい方向へ変えていけると思います。
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