『健康長寿の人が毎日やっている心臓にいいこと──心臓専門医が教える!』2021/8/17
別府 浩毅 (著)
心臓専門医の別府さんが、心臓にやさしい生活習慣をわかりやすく教えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
第1章 心臓は生活習慣でよくなる!
第2章 心臓がよくなる「食」の習慣
第3章 心臓がよくなる「運動」の習慣
第4章 心臓がよくなる「呼吸」の習慣
第5章 心臓がよくなる「脳」の習慣
第6章 心臓がよくなる「睡眠」の習慣
*
「おわりに」に本書の総まとめのような文章があったので、まずそれを紹介します。
「心臓にいい生活とは、心臓に負担をかけないよう急激な変化を起こさないようにすることです。清涼飲料水を飲む代わりに、水やお茶を飲む。質の良い睡眠を取る。適度な運動で心臓を強くする。煙草やお酒は控える。ストレスの少ない環境を作る。これらのことは、心臓だけではなく、健康な生活を送るための基本的なことでもあります。」
……要するに、「食事」「運動」「呼吸」「脳(ストレス)」「睡眠」に気をつけるという、ごく普通の健康習慣が「心臓にもいい」ようです。
『健康長寿の人が毎日やっている心臓にいいこと』というタイトルだったので、ごく普通の人が健康長寿になるためのアドバイスだと期待して読み始めたのですが、どうやら主に、身体が弱った高齢の方や、心臓病の患者の方へのアドバイスのようで、普通の健康体の人にとっては、本書で勧められている運動強度はかなり低いように感じました。
それでも、たとえ病気であっても、まずは「運動」「食事」で改善させて、薬は、それらで効果がなかった場合の最終手段だというアドバイスがあったので、読んで良かったと思います。
また「脳」の習慣としては、脳トレなどの知能に関するものではなく、精神面の安定が大事だというアドバイスで、ストレスを少なくすることが健康につながるということでした。
……全体を通してみると、ごく「普通の健康習慣」が心臓にも良いということだったので、私自身が現在行っている運動や食事などの「健康習慣」を続けていけばいいんだなーと安心しました(笑)。
この本で唯一意外だったのは、「心臓病の人には、水の飲みすぎは良くない」ということ!
「心臓はポンプの役割をしていますが、過剰に摂取した水を一気に処理することはできません。たとえば、口いっぱいにお茶をためすぎると飲みこめなくなりますね。心臓も同じです。収縮を繰り返す中で、広がりすぎると、必要なものを出せなくなる。つまり、血液を心臓の外に送り出せなくなってしまいます。これが心不全なのです。」
「たとえば、心臓の動きがいつもの半分しかない人が水を1リットル飲むと、尿は半分しかつくれません。すると、排出されなかった0.5リットルの水が身体の中にたまり続けます。そして、脚がむくむだけでなく肺のまわりに水がたまり、やがては呼吸すらできなくなってしまうのです。」
……ということなので、「心臓が悪い人」にとっては、水の多量摂取は「毒」なのだそうです(水は1日1リットル以下が推奨)。心臓が悪い方は、気をつけてください。
でもこれは「心臓が悪い人」限定で、普通の人にとっては、「1日2リットル」飲む方が健康によいとされていますので、私自身は今後もごく普通に、水をごくごく飲む予定ですが……。
『健康長寿の人が毎日やっている心臓にいいこと──心臓専門医が教える!』……心臓がよくなる「食」「運動」「呼吸」「脳」「睡眠」の習慣を、その科学的根拠も含めて具体的に教えてくれる本でした。運動については、10種類の運動法がイラストで分かりやすく紹介されています。とても参考になったので、特に高齢の方や心疾患のある方は、ぜひ読んでみてください☆
* * *
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
<Amazon商品リンク>