『別冊 海の図鑑 (Newton別冊)』2023/11/1
ニュートンプレス (その他)

 海の水の量や海流の流れなどの基本的なデータ,海が気候など地球環境に影響するしくみ、さらには深海や海の生きものなど、海について、美しいイラストを駆使して総合的に紹介してくれるニュートンプレスの『海の図鑑』で、内容は次の通りです。
1 海とは何か
2 海に暮らす生き物
3 深海の生命
4 深海から超深海へ
5 海と地球環境
6 海洋資源と人間活動
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「1 海とは何か」によると、「海とは、地球の表面のうち水で広く満たされている部分をさす。」そうです(笑)。「海水」は必須条件ではなく、淡水でも「海」になれるんですね……。
 また海水の量は意外に少ないようで、「地球」をゆで卵だと考えてみると、海は卵の殻より薄いどころか、殻の下の薄皮よりも薄いそうです……海は地球表面の約70%を占めているのに、実はそんなに少なかったんだ。
 そして「地球の海水は約13.7億立方キロメートルあり、これは地球に存在するすべての水の97.25%になる。」そうで……水のほとんどが「海水」なので、「淡水」はとても貴重なんですね……。
 また「海はなぜ塩辛い?」の理由としては……
「地球が誕生したころ、大気には塩化水素が含まれていたため、これが大量の雨となって海に降り注いだ。初期の海は酸性だったのだ。この酸性の海が海底の岩石と反応しナトリウムなどが海に溶け出した。こうして酸性の海は次第に中和され、現在の塩素とナトリウムがとけこんだ塩辛い海水になったと考えられている。」
 ……だそうです。
 この本では、海だけでなく、海の生きものについても紹介されていますが、個人的に一番驚きだったのは、タコやイカについて。次のように書いてありました。
「タコとイカは非常に近縁の生物であり、頭部の口の周囲に足(腕)が生えていることから「頭足類(頭足綱)」とよばれる。二枚貝や巻貝など、貝殻をもつ生物から進化してきたと考えられている。頭足類は体の外側に貝殻をもたないが、系統的に巻貝の仲間に近い。」
 ……タコやイカは巻貝に近い生物だったんですね! そして頭からすぐに足になるから「頭足類」だったんだ……分かりやすい(笑)。そんなイカは、さらに不思議な生き物のようです。
「(前略)イカには心臓が三つあり、全身に血液を送り出す普通の心臓と、えらに血液を送るための「えら心臓」の二つからなる。」
 ……えー! 三つも心臓があるなんて……イカがこんなにも不思議な生き物だったとは……。
 また「3 深海の生命」の「column 6 「最初の生命」は熱水噴出孔で誕生した?」によると……
「アミノ酸をつないでタンパク質をつくる化学反応は、アミノ酸から水を奪う反応である。この反応は、通常の水の中ではおこらない。しかし「超臨界水」の中では、この反応が進行する可能性が実験で示されている。超臨界水とは、374℃、218気圧をこえる高温・高圧のもとで、液体とも気体ともことなる状態となった水だ。通常の水とは異なり、油に似た性質を示す。
 深海の熱帯噴出孔が噴きだす熱水は、高い水圧のため100℃以上になっても気体にならない。その温度は400℃にも達することが知られている。つまり、太古の熱水噴出孔でも、超臨界水が生命の誕生に有利にはたらいた可能性があるのだ。」
 ……へー、熱水噴出孔には豊富なミネラルがあるだけでなく、超臨界水に近い環境があるから、ここで最初の生命が生まれたかもしれないと考えられていたんですね。
『別冊 海の図鑑 (Newton別冊)』……科学雑誌ニュートンプレスらしい美麗イラスト&分かりやすい説明の図鑑で、とても興味深い記事が満載の本でした。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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