『大人のためのヴァイオリン 上達バイブル 基本の見直しから応用テクニックまで (コツがわかる本!)』2022/6/25
上田 眞仁 (監修)
ワンランク上の音色にかえる弓の動きや、ポジション移動をマスターするポイント、豊かな演奏の要となる体の使い方など、美しい音色を響かせるコツを教えてくれる『大人のためのヴァイオリン 上達バイブル 基本の見直しから応用テクニックまで』で、内容は次の通りです。
☆ 基本編:ヴァイオリンを練習する際に押さえておくポイント
・楽器に対する正確な理解が上達の効率を高める
・音の出る仕組みを知り、「いい音」を奏でよう
・肩当ては必ずしも必要なパーツではない
・正確なチューニングなくしてよい演奏なし
・練習の段取りを決めると効率よく取り組める 他
☆ ボウイング編:音色を極めるための運弓メソッド
・意識的に脱力した体がいい音を生む土台となる
・自由に演奏したければしなやかで美しい構えを
・きれいな音を追求したいならボウイング一択
・正しい弓の持ち方は、音の出発点を整えること
・弓とボールペンのストレッチで動きをマスター 他
☆ テクニック編:左手を鍛えて豊かな演奏にしよう
・苦手なフレーズこそメトロノームで練習を
・すべての指が自在に動く形を確保しよう
・すべての調の音階練習が演奏の筋肉となる
・各指を素早く動かして音の粒立ちをそろえる
・オクターブの音階練習で耳を鍛えよう 他
☆ 楽器編:美しい音色を保つためのメンテナンス術
・美しい音を奏でるために欠かせない毎日のケア
・楽器の保管には細心の注意を払おう
・弓のコンディションがボウイングを左右する
・弦は劣化する前に張り替えよう
・ヴァイオリンの心臓部ともいえる「駒」 他
「ヴァイオリンの構え方のポイント」は、次の通りだそうです。
1)正面を向いてリラックスする
2)背筋は伸ばす
3)足は肩幅に立って体の真ん中に重心を感じる
4)肘は体に近づけ過ぎない
5)左手は楽器を支えるのではなく、手にネックを乗せる感覚で
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そして個人的に最も参考になったのは、「ボウイング編」。「音色の美しさは、正しいボウイングができているかどうかで7~8割決まると言っても過言ではありません。」なのです。
特に次の「演奏前の最も基本的な4つのチェック事項」は、ぜひやってみようと思いました。
1)楽器を持たずに腕の動きのみをチェック(右腕は肘が下がって手首から動く)
2)全弓で同じ箇所を均等に弾けているかどうかをチェック(基本は駒から1cm離れた箇所を弾く。全弓のボウイングでは手首が軽く8の字を描くように)
3)弓の返しの際の手首の動きをチェック
4)(アップからダウンへ切り返すときは)「指先でつかむと同時に肘を下げる」よう動きをチェック
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もっとも実際にやってみたら、「全弓のボウイングでは手首が軽く8の字を描くように」はオーバーにやりすぎてしまうようで、あまりうまくいきませんでしたが……当面はとりあえず「全弓で同じ箇所を均等に弾く」ことを心がけていこうと思っています。
また「ポジション移動をマスターするポイント」としては、「人差し指の位置を基準にしてポジション移動する(それぞれのポジションに人差し指を置き、その位置を基準にほかの指で押さえるようにする)」といいそうです。これは音階練習などをするときに、心がけるといいのかも。
音階練習はとても効率のよいトレーニングだそうで、テキストとして『セヴシック(SEVCIK)』と、カール・フレッシュ『スケール・システム』が紹介されていました……実をいうと、音階練習は最近ほとんどやっていませんでしたが……そのうち、やってみようかな……(すでに弱気)……趣味で弾いているだけだと、曲を弾く方がだんぜん楽しいので音階練習を省きがちでしたが……やっぱり上手くもなりたいんですよね……。
また「オクターブの音階練習で耳を鍛えよう」というアドバイスも、とても参考になりました(もちろん本書ではもっと詳しい説明があります)。
「重音で正確な和音を鳴らしているか自信が持てない場合は、オクターブで指の開き具合と音程感を身につけるといいでしょう。オクターブ音程は、たとえばD弦開放弦+A線押弦のように開放弦を伴う場合と、両弦とも押弦する形があります。後者の場合のオクターブ音程は、人さし指+小指で押さえます。ポジションが変わっても、基本的にこの形のまま移動します。」
……なるほど。
この他にも、「弓を左右に振るストレッチ」「弓を上下に振るストレッチ」などの基礎練習や、「上級者を目指すための8つのオリジナル基礎訓練」など、まさに『大人のためのヴァイオリン 上達バイブル 基本の見直しから応用テクニックまで』のタイトル通りの総合的な内容になっています。嬉しいことに説明に「弦を押さえる指の写真」などが多用されていて、目で見ることができるので、理解を進めやすいと思います。
初心者にとってとても勉強になるだけでなく、中級以上の方には基本を見直すことで技術を磨け、さらに上級の方にとっては誰かに教えるときの参考になるのではないかと思います。ヴァイオリンを弾く方は、ぜひ読んで(眺めて)みてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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