『図解リノベーション大百科』2022/7/7
間取りを変えるだけで、広い部屋、ライフスタイルに合った部屋など理想の住まいが手に入る……そんな間取りのリノベ術をまとめた『図解リノベーション大百科』で、内容は次の通りです。
1章 すごい間取りのアイデア
2章 収納の悩みを解決
3章 楽しいキッチンをつくる
4章 快適な環境をつくる
5章 細部までこだわりを追求する
例えば「1章 すごい間取りのアイデア」の「01:広々としたワンルームをつくる」では、「ワンルームを柔軟に仕切るために、引き戸を回転させて戸袋にしまえる「回転障子」を使うと、一体感のある空間を作ることができる」など、とても参考になる具体的な事例を知ることができました。また次のような注意も、とても大事なことだと感じます。
「リノベーションでワンルームにする場合は、既存の開口部を隠蔽し、耐力壁を追加して間仕切壁の撤去に伴う耐力不足を補うこと、外壁の断熱性能を上げて冷暖房効率を上げること、暖気が溜まりやすい天井部はサーキュレーターなどを設置して室内の温度ムラをなくすことなど、必要な対策もしっかり行いたい。」
そして「05:ライフスタイルに合わせた空間をつくる」では、広い住宅を親から受け継いでリノベーションする場合、コストを削減するため、改修計画は、生活に必要な大きさを見極め、建物を「改修」「解体」「既存のまま」に区分するところから始めることを提案しています。例えば、二階部分を解体して平屋にする、不要な部分を更地にして駐車場にする、建物の中心を減築して中庭にする、などの手法があるそうです。
そして本書の中で最も大胆なリノベーションだと感じたのは、「2章 収納の悩みを解決」の「02:見せる収納にする」で紹介されていたガラス張りクロゼット。細長い住戸の間取りに、中央を通る廊下を利用したガラス張りのクロゼットを作ったという事例ですが、まさに「ショーウィンドウのように大胆に見せる」というタイトルそのもので、廊下だけでなく、寝室、玄関、さらにリビングの一部まで斜めに蛇行させて通した巨大な長いガラス張りクロゼットなのです。しかも途中の水回りの扉は鏡張りになっていて閉じた時は姿見として使えるなど……お洒落なアパレル・ショップの店内みたいな印象に! 洋服好きな人にとっては、すごく気分が上がる住居になりますね!
そして「05:土間収納をつくる」もすごく使えそう。土間は水濡れや汚れにつよいため、観葉植物を育てる場所、DIY作業場、自転車やベビーカー保管場所、シューズインクロゼット、室内物干し場など、さまざまな利用が可能で、とても人気があるそうです。
また「07:布団などかさばるモノを収納する」では、「リビング・ダイニングの一部を畳敷きの小上りにすると、その下部が大容量収納になる」というリフォームを行って、来客用布団、簾すだれ、季節イベントグッズなど、かさばるモノの収納場所の確保する方法が紹介されていました。これもいいですね!
さらに「5章 細部までこだわりを追求する」では、「06:玄関ドアから侵入する冷気を防ぐ」として、断熱戸と網戸を兼ねた「内戸」を設けるという事例の紹介がありました。夏は開けて網戸、冬は閉めてポリカーボネートの断熱戸として使用可能なのだとか……割と簡単そうなリノベーションなのに、すごく実用的で冷暖房にかかる光熱費も抑えられそう。家計と地球に優しいリノベーションのように感じました。
この他にも、「和室を広いウォークインクロゼットにする」とか「耐震性能もUPさせるロフトを設ける」などのアイデアや、「リノベーションで断熱性能を高めるとき、注意したいのが「熱橋と気密性」」などの留意点など、参考になる事例や記事(図面や写真付き)が満載です。リノベーションを考えている方は、ぜひ眺めてみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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