『紙で作る 美しい立体の花々』2021/11/20
やまもとえみこ (著)

 表紙写真のような、とても美しい花々を「紙」で作る方法を教えてくれる本です。
 最初に、基本の道具と材料の説明があります。この美しい花々の材料に適しているのは、画材店などで購入できるタント紙、マーメイド、里紙、NTラシャなどで、「連量」と呼ばれる紙の厚みが100~160kg程度のものが扱いやすく、見栄え良く仕上がるそうです。100均で手に入る一般的画用紙は90kg程度で若干薄めですが、使用できるとも書いてありました。
 続いて作り方の基本のテクニック。花びらの型紙を切るところからワイヤーに貼っていくまでの花の作り方や、葉の作り方、花へ葉をつける方法などが、写真で詳しく説明されています。
 パーティなど華やかなシーンで大活躍してくれるバラはもちろん、母の日のカーネーション、クリスマスのポインセチア、お正月飾りの椿など、贈ったり飾ったりして楽しめる素敵な花がたくさんあります。

 掲載されている花は、モダンローズ、スプレーバラ、オールドローズ、チューリップ、スイートピー、ラナンキュラス、カーネーション、芍薬、百合、紫陽花、ひまわり、ダリア、ガーベラ、椿、ポインセチア、マツ、モミ、アイビー、ユーカリ、シロタエギク、ルスカスで、全作品実物大の型紙つきです。
 この中で、初心者にとって一番失敗が少なそうなのは紫陽花でしょう。小さい花をたくさん集めて作るので、最初の頃に作った多少不出来な花びらも、うまく隠して活用できそう(笑)。しかも暇な時に、少しずつ作りだめして、最後に組み合わせるという作り方も出来そうです。
 そして、とても良いなと思ったのが、花だけでなく、マツ、モミ、アイビー、ユーカリ、シロタエギク、ルスカスなど、いろんな形の葉が揃っていること! 花をブーケにまとめるとか、正月飾りに花瓶に入れるなどするときに、これらの葉があると、変化や奥行が感じられるのです。とりわけモミは、作り方が簡単な割に、花をブーケにまとめるなどの時に、ちょっとした変化をつけるのに効果的に使えそうに感じました。
 本書の終盤には「飾って楽しむ」活用例もあります。リボンや水引をアレンジするのも素敵ですね。
 紙で作る、まるで本物のような美しい花々……眺めているだけでも、素敵な花たちです。工作や手芸が好きな方は、ぜひ作ってみてください。お勧めです☆
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