『ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 人体 取扱説明書編』2021/10/31
坂井 建雄 (監修)

 人体は、たとえ私たちが意識しなくても、呼吸する・食べたものを消化する・体温を保つ・排せつするといった生命の活動に欠かせない働きを維持しています。この本は、人体を家電製品などの道具にみたてるような感じで、体の構造や正しい使い方をわかりやすく紹介してくれます。構成も見やすくて、ほぼ見開き1ページで1テーマ。説明用の大きなイラスト+簡潔で分かりやすい文章になっています。
 例えば「1.骨と筋肉、肌の取り扱い説明書」では、最初に「前からみた骨格」の全身イラストとともに、骨格の解説があります。もちろん次のページは「後ろから見た骨格」と脊柱などの解説です。
 それだけでなく、これは「取り扱い説明書」なので、体で発生しやすいトラブルとその予防の仕方も教えてもらえます。「1.骨と筋肉、肌」では、「ストレートネックを予防するストレッチ」や「肩こりを予防するストレッチ」の他、「ひざを下げる座り方で、腰の負担を減らそう!」という座り方へのアドバイスもありました。次のようにすると良いそうです。
「背筋をのばしながら、股関節を110度に保つ。座面を少し高めにして、ひざを太ももの付け根から10センチメートル程度下げるようにすると、股関節の角度が110度程度に保たれます。」
 ……なるほど。
 こんな感じで、体の構造や機能の解説と、長持ちさせるための(?)アドバイスをイラストで分かりやすく教えてもらえるのです。以下に、そのアドバイスの一部を紹介します。
「体殿筋、腸腰筋、大腿四頭筋、腓腹筋のおとろえを防ぐには、ウォーキングやラジオ体操程度の軽い運動では不十分です。筋肉トレーニングを行い、日常生活では得られない強さの負荷を、筋肉に与える必要があります。」
「高血圧症の原因の一つは、塩分(塩化ナトリウム)の取り過ぎです。(中略)日本人の塩分摂取量は、平均で1日約10グラムです。日本高血圧学会減塩委員会は、高血圧症予防のために、1日6グラム未満をすすめています。」
「大きな音を聞くことで難聴になってしまうのは、音を感知する有毛細胞の感覚毛が、折れたり抜けたりしてしまうためです。感覚毛は、一度こわれてしまと、元にもどることはありません。(安全な音の目安:80デシベルで週40時間以内)」
「耳掃除は、耳を傷つけるからしてはいけないというのが、お医者さんたちの常識」
 そして個人的にすごく参考になったのが、「目」に関すること。次のように書いてありました。
「人の目には、高性能なオートフォーカス機能(自動焦点調節機能)がそなわっています。視点を変えたときに、水晶体の厚みを瞬時に調節して焦点を合わせ、鮮明な画像を得ることができるようになっています。この機能を実現するのは、水晶体のまわりに配置されている「毛様体」という筋肉です。近くを見つづけていると、毛様体が疲労して、水晶体の厚みをうまく調節できなくなります。
 スマホの画面を長時間見つづけることで、焦点を合わせにくくなる「スマホ老眼(調節緊張症)」になる人がふえています。(中略)
 スマホを使う際には、ときどき目をつぶったり、遠くを見たりすることで、毛様体をゆるめましょう。」
「スマホやパソコンの画面を長時間見ていると、まばたきの回数が減り、涙の蒸発速度が上昇して、ドライアイになる危険性があります。適度に目を休めて、ドライアイを防ぐことが重要です。」
 ……スマホやパソコン、本を見ている時間が長いので、気をつけたいと思います……。
 人体のしくみと構造をイラストで解説してくれる本でした。読みやすいのにとても参考になるので、ぜひ家族みんなで読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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