『「冴える脳」をつくる5つのステップ: ゆっくり急ぐ生き方の実践 (NHK出版新書) 』2020/10/10
築山 節 (著)
5段階で「脳と身体」を見直せば、私たちの健康はもっと維持できる……脳と身体の関係を改めて見直すことで、「ゆっくり急ぐ」──現状を冷静に把握し、スピーディーに判断できる「脳」と身体をつくる方法を教えてくれる本です。
『「冴える脳」をつくる5つのステップ』というタイトルだったので、「会話中に、うまいタイミングでキレのあるギャグを連発できるようになる」とか、「難しい数式を理解できるようになる」とか、今以上に「冴えた脳」にする技術を教えてくれる本を期待したのですが……残念ながら、すでに衰えつつある脳を「冴える脳」にする(現在より悪くしない)という程度の冴え方でした……。
私にとっては期待外れの内容ではありましたが、誰もが認知症予備軍になってしまいかねない現在、この本が教えてくれる技術は、すごく大事だと思ったので、ここで紹介させていただきます。基本的には「運動」「食事」「睡眠」を重視しているので、実践しても害はないと思いますし、健康な脳と身体を維持していくのに、とても役に立つと思います。
さて、以前よりも衰えを感じる身体、なんとなく続く不調といった健康不安にどう対処すればよいのかについて、築山さんは、1自分の「健康」を再認識し、2脳と身体の機能が「自立」しているか、3脳と「自律」的に働く内臓がきちんと機能しているかを確認し、そのうえで4自分の脳を「管理」し、足りないところを5「対策」するという5つのステップを提案しています。
ゆっくり急いで「冴える脳」になるためには、次のようにするべきなのだとか。
1)肥満と向き合う(健康)
(5大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよくとる)
2)脳機能の活性化対策(自立)
(運動する。筋肉量を確保するためにトレーニングする)
3)善玉菌の効果的増やし方(自律)
(プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維)とプロバイオティクス(ヨーグルトなど)で善玉菌を増やす)
4)記録で自己表現力をつけよう(管理)
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……私自身はすでに実践中のことでしたが、このような一般的に健康に良いとされていることを続けていくことで、「冴える脳」を守っていけるようです。
とても参考になったのは、「作業興奮」。朝に目が覚めた時、なんとなくだるいと感じても、とにかく何かを始める方がいいそうです。
「作業興奮とは、どんな種類の仕事であれ、作業をしはじめると脳の中に興奮状態が起き、そのために脳が活発に働きはじめるということです。
誰にも「今日はどうしても気分が乗らない」という日があると思います。でもみなさん、その気持ちは横に置いて、とにかく何かの仕事を始めましょう。すると不思議なことですが、仕事をしているうちに、最初の嫌な気持ちはどこかに行ってしまいます。
実はこれには理由があります。仕事や運動を始めて心拍数が高まってくると交感神経系の働きが活性化し、誰でもポジティブになれるのです。これが「作業興奮」です。(中略)
とにかく朝、身体を動かしてみてください。たった一つの朝の習慣で、脳は確実に動きはじめることができます。」
……なるほど。とにかく日中は頭も心も身体も動かして適切な食事をとり、夜はゆっくり休息することが「冴える脳」をつることになるんですね。
そのための具体的な方法などを教えてくれる本でした。脳や身体に衰えを感じている方は、ぜひ読んで実践してみてください。脳にも身体にも、きっと良い効果がでるでしょう。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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