『歯科医が教える 歯ヨガ 歯と口から免疫力を上げる』2020/5/28
小島 理恵 (著)
鼻呼吸で免疫力アップ、唾液が増えて虫歯・歯周病を防ぐ、顔下半分のたるみ解消、顎関節症が改善……これらの効果を期待できる「歯ヨガ」の方法を教えてくれる本です。
加齢とともに口周りの機能がおとろえると、舌の位置が下がる、口呼吸になる、食いしばりがおきる、唾液の量が減るといった状態になってしまうそうです。
驚かされたのが、「舌の位置が下がってしまっている人が増えている」という話。舌は「上の前歯の裏側の、少し膨らんでいる部分の後ろ」についていることが理想なのに、なんと30~40代でも半分の人が、そして子どもの9割以上が「低位舌」になっているそうです。……えーっ! ……え? えーっと、そんなに大勢がそういう状態なら、それが「普通で健康な状態」ってことでもいいのでは? という気がしないでもないですが(汗)、低位舌の人は、滑舌や咀嚼が悪くなる、虫歯になる、呼吸が浅くなる、さらには全身の健康を損ねる恐れもあるのだとか(怖っ)。
そんな問題を解決するために考案されたのが「歯ヨガ」。次のようなマッサージや運動法が、写真で詳しく解説されていました。
1)咬筋マッサージ
2)側頭筋マッサージ
3)頬骨マッサージ
4)顎下腺マッサージ
5)耳下腺マッサージ
6)舌下腺マッサージ
7)頬すぼめ・ふくらませ
8)舌まわし
9)りーえーワーク
10)ポッピングと下の吸い上げ
11)外側翼突筋・内側翼突筋マッサージ
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また、上記に加えて「歯ヨガの効果を高めて、全身に働きかける」という「椅子ヨガ」の紹介もあります。悪い姿勢も、口呼吸や舌が下がった状態を引き起こすので、「椅子ヨガ」でそれを改善するのだとか。
1)猫のポーズ
2)ラクダのポーズ
3)腕の上げ下げ
4)側屈のポーズ
5)足首の上下
6)合掌したねじれのポーズ
7)横向きストレッチ
8)うつむきストレッチ
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私自身は日常的にエクササイズをしているので、「椅子ヨガ」の必要はなさそうに感じましたが、これらの運動は、すべて座ったままでできるので、覚えておくと、事務所などでも休憩時間に出来るかもしれないなーと思いました。
加齢とともに、いろんな機能が落ちるのを避けるため、「歯ヨガ」のうちの運動系のものを数個、日常の隙間時間トレーニングに追加してみようと思っています(汗、どんどん増えてきていますが……)。
もっとも私自身はたまに管楽器や口笛を吹くので、「歯ヨガ」をしなくても大丈夫なのかもしれません。実は、紙風船、風車、口笛、歌など「息を強く吹く動作」は、口周りの筋肉や腹式呼吸を使うため、歯ヨガと同じような効果があるそうです。紙風船や歌は誰にでも出来ますし、やると楽しい気持ちにもなるので、お勧めです☆ 私も管楽器の練習や口笛も続けていきたいと思います。
歯や口周りの健康に効果的なヨガを教えてくれる本でした。舌の位置が下がる、食いしばりがおきる、唾液の量が減ってきているなど、歯や口に問題を感じている方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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