『知識ゼロからの骨董・アンティーク入門』2020/7/9
岩崎 紘昌 (著)
西洋・日本の傑出した逸品、店主が絶対売りたくない骨董から、プロが教えるQ&Aまで……最新骨董・アンティーク事情を教えてくれる本です。
ところで、そもそも骨董・アンティークとは何か知っていますか? 実は「アンティーク」は、製造されてから100年以上経過したもので、「ヴィンテージ」は、アンティークより若い30年前から100年未満のもの。そして「シャビー」は30~40年前のものだそうです。
そして骨董やアンティークは、未使用品より使い込んだもの方が良い場合も多いのだとか。なぜなら「使い込んだものは、そのままの状態でなにもしなくても動いていて、いまも使える」から。それに対して未使用のものは、使えなくなっていることも多いそうです(時計は油が凝固してしまう。長く使わなかった陶磁器は水分がなくなり過ぎているせいか割れることが多い、など)……そうだったんだ。
個人的には、骨董やアンティークを所有したいとは思っていません。博物館で名品を見ると、とても素敵だなと思いますが、雑に取り扱うことができないほどの高級品を買うのは無駄だと思ってしまいますし、名品は個人所有で隠されてしまうより、博物館など公共の場にあって、みんなの美的感覚を向上させるべきだと考えているからです。
でもガレやドームなどのガラス製品は、やっぱりすごく美しいと思いますし、お手軽な「復刻版」があれば買ってみたいとも思いますが……。日本の繊細かつ精巧な根付け細工とか、螺鈿細工が施された漆器とか、寄木細工とか截金細工とか、さらには超絶技巧の自在置物とか……クラフト魂を激しく揺すぶられます……。でも別に価値の高い骨董でなくても美しければ新作でいいんです。ただし贋作はダメですが。
ちなみに真贋を見分けるには、「売っている人を見分けることが第一」で、真贋を見分ける目を養う方法としては、「商品を買って、自分の手で触って、たたいて、自然光の下で見て、使えるものは使ってみる」のがいいそうです。
また、日本の骨董の場合は、見分けるポイントがあるようです。
「日本の美術品は有名なものはすべて、決まった人または機関(所定鑑定人)しか鑑定書が書けない「所定鑑定制度」が確立している。(中略)所定鑑定は、書店などで売っている『美術年鑑』にも問い合わせ先が載っている。」
「日本の骨董は「箱書き」があるかどうかで、大きく価値が変わる。「箱書き」というシステムは、陶磁器はもちろんのこと、掛け軸でもブロンズでも、日本の骨董についてまわる絶対的な条件なのである。外国、とくに欧米の作品には、このような習慣はない。」
そして「骨董・アンティーク品を購入する際は、「壊れていないものを買う」のが鉄則」だそうです。「現代の技術でも絶対に直せないのが、ガラス製品」で、反対に陶磁器は修復可能なのだとか。
この他にも、「プロが商品を見るときのポイント」や、「知っておきたい!骨董・アンティーク用語」など、参考になりそうな記事がたくさんありました。骨董やアンティークに興味のある方は、ぜひ眺めてみてください。
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