『科学事件ファイル 小学4~6年 (おはなし推理ドリル)』2016/11/22
学研プラス (編集)
「お話を読む→読解問題を解く→推理する」という構成になっているドリル。文章中から手がかりを見つけて、事件解決につなげます。
ちゃんと解答ページもあって、事件の真相やその後のお話、科学の知識のコラムも読むことも出来ます。
事件のナゾにせまりながら、楽しく文章読解のトレーニングができて、楽しみながら、「読む力」や「論理的に考える力」が身につく新感覚ドリルです☆
「科学事件ファイル」なので、科学の知識が身につく16の事件ファイルが収録されています。といっても、科学の知識がないと解けないというのではなく、解決に必要な科学の知識も、文章の中にちゃんと入っています。だからお話をちゃんと読めば、ほとんどの問題は簡単に解けると思います。
「お話を読む」というと、特に国語が苦手なお子さんだと、「長い文章、苦手だな……」と感じてしまいがちだと思いますが、1事件あたりドリル2~4ページ分の短い文章だし、内容も、「宇宙人は、だれだ? 宇宙ステーションで乗組員の三人がUFOに遭遇! 三人のうち一人は、宇宙人にすりかわられた疑いが……。さて、宇宙人はだれなのでしょう?」という感じのスリリングな状況を解決するためのお話になっているので、興味を持ってどんどん読み進められると思います。
「お話」の下に、大事なポイントを書き込む読解問題があり、そのメモが最終的に「推理」につながっていくという構成になっているので、このドリルを楽しくやっているうちに、いつの間にか「文章を読み込む力」がどんどん向上していくという素晴らしいドリルです☆
このドリルは、「理科系は得意だけど国語が苦手」というお子さんには、特にお勧めです☆
実は「国語」はすべての学問の基礎になっているので、国語が苦手のままだと、算数の文章問題も出来なくなっていくし、もちろん理科でも社会でも同じことが起こってしまいます。算数が得意なお子さんなのに、なぜか全体的に成績が落ちてきた……という場合は、もしかしたら算数力ではなく、「国語力」が落ちてきているのかも。
そして国語力は、学生時代だけでなく理系の仕事をする場合も、論文を読む書く時、仕様書やマニュアルを読む書く時、顧客への商品紹介資料を書く時など、いろんな場面で絶対に必要になってくるのです。それなのに、「国語力」を培うためのドリルには、理数系が得意なお子さんに興味が持てるような内容のものが少ないように感じて残念に思っていました。
この「おはなし推理ドリル」は、内容がとても楽しいので、国語が苦手なお子さんの国語力を高めるきっかけを作るのに最適です☆
残念ながら問題の内容があまりにも簡単過ぎる印象がありましたが……むしろ簡単だからこそ、国語の苦手なお子さんの「苦手意識の克服」に、特に役立つのではないかとも思います。
欲を言うと、もう少し高い難易度のドリル(難易度がだんだん高くなるステップ式のドリル)もあると、嬉しいなと思いました。継続的な学習に役立ちますし……。もっとも、このシリーズからは、歴史など他のジャンルのドリルも多数出ているので、この「科学事件」を楽しそうにやってくれたお子さんには、次に興味を持ちそうなドリルを選んであげると、どんどん国語力(+知識)を向上させられるかも(笑)。
とにかく、これはまさに「楽しくて国語力がつく(科学知識もつく)」という素晴らしいドリルです。ぜひ試してみてください。だんぜん、お勧めです☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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