『〈東大・京大式〉頭がよくなるパズル』2012/1/20
東田 大志 (著), 東大京大パズル研究会 (著)

 東大・京大の精鋭パズル作家たちが腕をふるって作ったパズル集で、内容は次の通りです☆
第1章 右脳力をきたえる
第2章 推理力をきたえる
第3章 漢字力をきたえる
第4章 集中力をきたえる
第5章 言語力をきたえる
第6章 決断力をきたえる
第7章 左脳力をきたえる
第8章 発想力をきたえる
最終章 応用力をきたえる
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『<東大・京大式>頭がよくなるパズル』というタイトルだったので、難問ばかりなんだろうな……と覚悟して問題に取り組み始めてみたら……ええ? ものすごく簡単……。少なくとも「第7章 左脳力をきたえる」までは、パズル好きの人にとっては、ホントに楽勝だと思います(ここまでは全問、数分以内で解けてしまいました)。
 でも考えてみたら、これでこそ『頭がよくなるパズル』なのでしょう。難問過ぎると、そもそもやる気になれずにモチベーションがどんどん下がってしまいますし、気持ちもネガティブになってしまいますが、簡単に解けていくと、やる気も持続していきます(と言うか……あまりにも気持ちよく解けてしまうので、つい時間を忘れて一気にやってしまいました……)。
 それでも、確かに簡単とはいえ「それなりに頭を使わないと解けない」問題ばかりですし、同じ種類の問題は2問程度(例題を含めて3問)しか出されないので、マンネリに陥ることもありません。例えば、「第1章 右脳力をきたえる」で出題されるのは、「多角形作り」「図形探し」「つめこみブロック」「継ぎ接ぎ細工」と4種類ものパズル問題で、バラエティに富んでいるだけでなく、毎回ルールを読んで理解しなければならないので、とにかく「楽しく頭を使える」感じがすごくします。どの問題もなかなか良くできていて、さすが東大や京大の学生さん、家庭教師などをやっている人も多いでしょうから、子どもを飽きさせずに勉強させる技術にも長けているのでしょう。(ただし「第6章 決断力をきたえる」の「浮島」だけは、説明不足な感じで、本に書いてあるルールだけだと、別解がたくさん生まれてしまうような気がしました。)
 とにかく気持ちよく、どんどん解けてしまうので、パズル初心者の方にも最適だと思います。この本にも書いてあるように、主に「知識」が必要になるクイズと違って、パズルに必要な知識は「常識の範囲内」のものが多く、「知恵」を絞れば誰にでも解ける可能性があります。そして数多くのパズルを解いていくと、「頭の使い方」が自然に、しかも楽しく身についていくのです(経験談)。
 それにしても……『<東大・京大式>頭がよくなるパズル』って割には、簡単過ぎるぜ、フッ(傲岸不遜な、上から目線で)、と思っていたら……「第8章 発想力をきたえる」になったとたん、異次元の難しさに! うーん、これでは「最終章 応用力をきたえる」は無理かも……と戦々恐々としてしまいましたが、最終章の問題は、普通のパズル本の難問レベルだったので、何とかクリアできました(ホッ)。
 ということで、総合的にはとても楽しめるパズル本だったと思います。ところどころに、東大、京大生からのアドバイスもあって、学生の方には、それも参考になりそうです。楽しくて、たぶん『頭がよくなるパズル』の本、お勧めです☆
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