『京大・東田式「考える力」が身につくパズル』2012/11/10
東田 大志 (著), 京大パズル研究会 (著)

「考える力」を総合的に養う問題を集めたパズルの本です。内容(パズルの種類)は次の通りです。
第1章 「論理力」が身につくパズル(京都散歩パズル、推理パズル)
第2章 「分析力」が身につくパズル(等号・不等号プレース、数字つなぎ)
第3章 「問題解決力」が身につくパズル(4マスぬり、内外ループ)
第4章 「戦略的思考」が身につくパズル(トランプブロック、じゃんけんパズル)
第5章 「状況把握力」が身につくパズル(つめこみブロック、アルファベットブロック)
第6章 「創造力」が身につくパズル(ひらめきパズル)
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 この本は、「分析力」、「状況把握力」、「論理力」、「問題解決力」、「戦略的思考」、「創造力」が身につくパズルを、日本で唯一のパズル研究者の東田さんと京大の精鋭たちが制作し、そのなかからとくにすぐれたものを厳選して収めてあるそうです。
 実際にやってみると、確かに「気持ちよく頭をつかっている」感じがするパズルが多かったように感じました。15分以上かかるほどの難問はあまりなく、気分転換にパズルをするのには最適な「適度な難易度」のものがほとんどでした。もしかすると、パズル好きの方にとっては、少し簡単過ぎるかもしれません(汗)。
 1~5章には2種類のパズルがあり、各パズルはほぼ8問ずつで、1問目から徐々に難易度があがっていくので、パズル初心者の方でも、快適に頭をひねることが出来るのではないかと思います。
 問題の種類もさまざまで、飽きずに続けられます。
 例えば、第1章 「論理力」が身につくパズルの「京都散歩パズル」は、京都の概略地図とともに、「二条城、博物館、清水寺の前はすべて通った」などのヒントが書いてあり、どのように散歩したのかのルートを推理するというもの。
 また、第2章 「分析力」が身につくパズルの「等号・不等号プレース」は、市松模様に分かれた2×2の各部屋に1~4の数字を1つずつ入れるのですが、その部屋の仕切り部分には、等号・不等号が書かれているので、それに合致するように入れなければならないのです。この2×2の部屋が何個もつながっているので、一見簡単そうに見えても意外に難しいところもありました。
 それでも、どのパズルもすごく気持ちよく、どんどん解けていってくれるのは、少なくとも第5章までのパズルは、「純粋に思考をめぐらせば、いつかは必ず解けるもの」だけが集められているから。しかもこの手のパズル本にありがちの、「5分」などの目安時間も書いてないので、焦る必要もなく、気楽な気分で解くことが出来ます。実は、1~5章までは、「緻密な論理の積み重ね」訓練ができるよう、「どの問題にも考えるべき道筋がしっかりと存在しており、理詰めの繰り返しで必ず解けるようになっている」よう作りこまれているのです。
 それに対して、最後の第6章 「創造力」が身につくパズル(ひらめきパズル)だけは、逆に「自らの手でルールを発見していかなければならない」問題だけが集められていて、けっこう難しかったと感じました。ほんの少しでいいから「ヒント」が欲しかったなーと思ったものも……。(問題の意味が少し分かりにくいのです……おそらく「問題の意味を解読する」能力も、パズルとして要求されているのでしょう……)。
 東田さんと同じように、子どもの頃からパズル好きの私ですが、確かに「考える力」を身につけるのに最も効果的なトレーニング方法の一つが、「パズル」を解くことだと思います。RPGなどのゲームも戦略的思考をつけるのに役に立つそうですが、パズルにはRPGゲームなどと違って「乱数や運」要素がないので、より効果的に鍛えられるのだとか。
「パズルでは、乱数や運といった不確定要素は排除されており、純粋に戦略的思考を身につけられるような形式が確立されています。」
 ……確かに。RPGゲームなどもとても楽しいですが、仕事で多忙なときには、キャラクターを育てることや、滅法強いボスキャラ倒しが面倒だと感じてしまうこともあります(汗)。そんな時に、こういうパズル本をやると、「楽しい部分だけ効率的にやれる」感じがして、どんどん気分が上がっていきます……やっぱり、パズルが大好きなんだな☆
 とても楽しい『「考える力」が身につくパズル』でした。ぜひ、やってみてください。お勧めです☆
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