『鉄道模型デジタルモデリング マニュアル (NEKO MOOK)』2019/4/2

 家庭用3Dプリンタを使用して鉄道模型を作る方法を紹介してくれる本で、2012年に発売の『鉄道模型デジタルモデリング』、2015年発売の『鉄道模型3Dプリンタガイド』に続く、デジタル工作シリーズの最新版(2020.02現在)です。(なお、この本で言う「デジタルモデリング」とは、パソコンをはじめとしたデジタル機器を使用した模型工作を意味しています。)
 最近、どんどん身近な存在になりつつある3Dプリンタには、大きく分けて、1)熱溶解積層(FDM)方式、2)光造形方式の2つの方式があるそうです。そして光造形方式には、2-1)ステレオリソグラフィー方式、2-2)デジタルライトプロセッシング方式、2-3)液晶パネル方式の3種類の方式があるのだとか。
 この本では、最近ぐっと低価格になってきた家庭用の3Dプリンタを駆使して、鉄道模型を作った実践例が多数紹介されています。その造形のあまりの見事さに圧倒されました。まるでプロが作った商品みたいなのです。……うーん、3Dプリンタを使った鉄道模型は、やっぱりペーパークラフトとは違う、凄く高精細なものが出来るんだなー(ため息)。
 この本では、3D-CAD(三次元設計システム)ソフトウエア「Fusion360」でのモデリング方法などが、実際に製作した作品とともに詳しく紹介されていて、すごくレベルの高い、まるで本物みたいな鉄道模型が出来上がるのを見ることができるのですが、実際に自分で製作するとなると、かなり大変そう……。3Dプリンタはすごく魅力的だけど、購入するのは、もっと「ど素人」でも使えるようになってからにしようっと、と思ってしまいました(汗)。この本には、次のような記述がありました。
「低価格帯の3Dプリンタが登場し、模型工作に有効な新時代のツールとして活用されはじめました。しかし今のところ、日用家電のように誰でも簡単に扱え、一発で出力できるものではありません。事前に色々な備品を揃え、エラーのない3Dデータを用意し、適切なサポート柱を取り付け、出力する形状に合った照射パラメータを探り、出力後も適切な後処理や二次硬化を施す……これら一連の作業、そして試行錯誤を何回も繰り返すことでようやくご自身の満足のいく作品が出来上がります。」
 でも出来上がりは本当に凄いので、「試行錯誤する工作の過程」を楽しめる方には、とても参考になると思います。
 この他にも、「鉄道模型メーカー・関水金属/KATOに聞くプロの現場における鉄道模型の設計」とか、「2次元の画像編集ソフトを使っての、ストラクチャーの看板、標記類の製作実例」とか、「画像編集ソフトを通してのインレタ、デカールの制作」とか、「3Dプリントを利用したNスケールレイアウトの製作」とか、見ごたえのある魅力的な記事が満載。デジタル造形機器を活用した鉄道模型の工作方法と実例を、写真と解説でじっくり見る(読む)ことが出来ます。
 家庭用の3Dプリンタで、すでにここまで鉄道模型作りができるんだ! と驚かされる本でした。工作好きの方、鉄道模型好きの方は、ぜひ読んで(眺めて)みてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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