『幸せがずっと続く12の行動習慣』2012/2/16
ソニア・リュボミアスキー (著), 渡辺誠 (監修), 金井真弓 (翻訳)

 感謝をする、人を許す、楽観的になる……幸せな人を観察し研究して、科学的に証明した「幸福度の高め方」を教えてくれる本(ポジティブ心理学)です。
「幸せがずっと続く12の行動習慣」とは、次のようなものです。
1)感謝の気持ちを表わす
2)楽観的になる
3)考えすぎない、他人と比較しない
4)親切にする
5)人間関係を育てる
6)ストレスや悩みへの対抗策を練る
7)人を許す
8)熱中できる活動を増やす
9)人生の喜びを深く味わう
10)目標達成に全力を尽くす
11)内面的なものを大切にする
12)身体を大切にする―瞑想と運動
   *
 幸福を決定するものは、遺伝による設定値(基準)が50%、意図的な行動が40%、環境が10%なのだそうです。そして、幸福になるための最大の鍵は、「遺伝子の性質を変えること(不可能)」にあるのではなく、「環境(富や魅力、よりよい同僚)を変えること」にあるのでもなく、「私たちの日々の意図的な行動」にあるのだとか。
 実は、財産や美貌(上記の「環境」にはいるもの)などは、意外にも「ずっと続く幸福」との関係はあまり強くないようで、それというのも、私たち人間は「知覚の変化や生理学的な変化に、驚くほどすばやく慣れてしまう」ので、豪華な住宅や美しい配偶者にもすぐ慣れてしまい、当たり前のものとして受け止めてしまうそうです(快楽順応)。もっとも、これは必ずしも悪いことではないようで、「病気や事故で身体が衰弱したあとでも、もう一度幸福になるための驚異的な力が人にある」のだとか。つまり私たちは、「好ましい変化にも、悪い変化にもすぐに慣れる」性質を持っているのです。
 だから自分一人ではどうしようもない「遺伝(50%)」や「環境(10%)」にとらわれず、「自分の努力でなんとかできる意図的な行動(残り40%)」で、自らを幸福に導くことを、この本は提案しているのです。
 どんな時に「幸せ」を感じるかは人それぞれなので、本の中の「幸福行動診断テスト」を使って、「幸せがずっと続く12の行動習慣」の中から4つを選び、最初は1つ(多くても2、3個)から始めてみると良いそうです。
 私自身が一番「楽しい」と感じるのは、自分が成長していることが感じられる時なので、4つを選ぶとしたら、「熱中できる活動を増やす」、「目標達成に全力を尽くす」、「内面的なものを大切にする」、「身体を大切にする―瞑想と運動」あたりでしょうか。
 なかでも「運動はあらゆる活動のなかでも、とても効果的に幸福度を高めてくれる方法です。」なのだとか。確かに「運動」をすると食欲も増進する上に、ぐっすり眠れるし、体力がつくので新しいことにも進んで挑戦できるようになるし……良いことずくめのように感じます。私自身にとっても「運動」は、「幸福車輪」を回す一番強力な原動力なので、今後も続けたいと思っています。
 そして、とても参考になったのは、これら12の行動習慣にも、時々変化をつけるといい、ということ。なぜなら私たちは、行動習慣にも「慣れ」てしまうからで、「ずっと続く幸せを求めるのならば、たえず考え方や行動に変化を起こさねばならない」のです。……確かにそうですね! たとえ「良い行動習慣」でも、同じようなことをずっと続けていくと、だんだん「退屈な仕事化」してしまいそう。
「幸せがずっと続く12の行動習慣」を教えてくれる本でした。ここでは概要しか紹介していませんが、本書の中では、もっと具体的・実践的に教えてもらえます。さらに「40%の行動習慣が続く5つのコツ」もありますので、今より幸福になりたい、幸せを続けたいと思っている方は、ぜひ読んでみてください。
<Amazon商品リンク>