『和書:森のなかまたち』2015/1/29
ショーン シーヒィ (著), Shawn Sheehy (原著), みた かよこ (翻訳)

『洋書:Welcome to the Neighborwood(英語)』2015/3/10
Shawn Sheehy (著, イラスト)

 森の仲間たちが、大勢飛び出してくる素敵なしかけ絵本です。生き物たちの解説もあるので、ちょっぴり図鑑的な知識もつきます。
 表紙の絵でも分かるように、ちょっと大人っぽいアースカラー+パステルカラーの色彩で、カラークラフト紙のような手作り感のある生き物たちが、大きく飛び出してきます。手作り感はありますが、実際には、丈夫な上質の紙に、細かい皺のあるアート用の紙が印刷してあるのです。
 飛び出してくる造形物は、普通にV字型に飛び出してくるものだけでなく、舟形やテント型、ドーム型など、ちょっと珍しいタイプの仕掛けが多くて、しかけ技法としても参考になります。特に、ハチの巣のハニカム構造の仕掛けは、初めて見たような気がします。バラエティに富んでいて、工夫が感じられます。
 イラストも色彩も、アットホームな印象で、眺めていると心が癒されます(クモのページはあんまり癒されないかも……笑)。
 ただ……価格は3,700+税とかなり高価なので、子ども向けというよりは、しかけ絵本好きの大人向けかもしれません(汗)。
 とても素敵な絵本です。大人にも子どもにも、男性にも女性にも、誰に贈っても喜ばれるのではないでしょうか。

・表紙の裏面:森のイラストと文章(しかけなし)
・1~2ページ目:カタツムリ。ページを開くと、大きくカタツムリが飛び出します。カタツムリの解説あり。
・3~4ページ目:ハチドリ。ページを開くと、樹上の巣に座っているハチドリが大きく飛び出します(舟型の巣の仕掛け)。ハチドリの解説あり。
・5~6ページ目:クモ。ページを開くと、樹の枝につくったクモの巣と蜘蛛が大きく飛び出します(透明シートを使った仕掛け)。クモの解説あり。
・7~8ページ目:ミツバチ。ページを開くと、ミツバチの巣とミツバチが大きく飛び出します(ハニカム構造の仕掛け)。ミツバチの解説あり。
・9~10ページ目:トックリバチ。ページを開くと、叢につくったトックリバチの巣が大きく飛び出します(トックリのようなドーム型の仕掛け)。トックリバチの解説あり。
・11~12ページ目:ビーバー。ページを開くと、池につくったビーバーの巣とビーバーが大きく飛び出します(テント型の仕掛け)。ビーバーの解説あり。
・13~14ページ目:トゲウオ。ページを開くと、池の水中につくったトゲウオの巣とトゲウオが大きく飛び出します(トンネル構造の仕掛け)。トゲウオの解説あり。
・15~16ページ目:森の仲間たち勢ぞろい。ページを開くと、これまで出てきた森の仲間たちが大きく高く飛び出してきます。トックリバチが寝ていたら、そっと立たせてあげましょう(笑)。このページは閉じるときに一部が上にはみ出してしまうことがあります。その場合は、ビーバーを前に倒してあげるようにすると、きちんと本の中に全部納まります。はみ出す部分があまり多くないので、気が付かないこともあると思いますが、本棚に収納するときに仕掛けを傷める可能性があるので、仕掛けがきちんと納まるよう、気を付けた方がいいと思います。
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