『やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる、暮らし方・考え方』2019/2/7
わたなべ ぽん (著)

「なんとなく使ってきたけれど、本当に今の 自分に必要なんだろうか」。そんな思いで、炊飯器、ゴミ箱、掃除機といった生活必需品など、いろんな「もの」や「こと」を「やめてみた」日々を描いたエッセイ漫画です。
 最初に「やめてみた」のは炊飯器。壊れてスイッチが入らなくなったことから、仕方なく土鍋でお米を炊いてみたそうですが、これがすごく美味しかったそうで、その日から「お試し」気分で土鍋生活を始めてみたのだとか。
 それから、いつもつけっぱなしにしていたTVについても、「見ない時間」をつくってみたり、掃除機をやめてワイパーにしてみたり……いろんな家電の使用を「やめてみた」ら、生活が以前より充実してきたのだとか☆
 なるほど……でも……炊飯器をやめるのは無理だな……やめるとしても、せいぜい「レンジ土鍋」にするとか。ロボットも自作してみたいほど機械大好き人間だからなー(汗)……。
 それはともかく、著者のわたなべさんは、この後も「メイクをやめてみた」とか色々なものを「やめて」いますが、この本の良いところは、「やってみた」のもあるところ。いとこの引っ越しの手伝いをして、彼女が着なくなった洋服の一部をもらうことになったのですが、今までほとんど着たことのない「赤い服」を着て配偶者と外出してみたことで、新たな自分を発見したようです。こういうの、いいですね☆ やっぱり「やめてみた」だけじゃ人生、つまらないじゃないですか。
 それにしても、わたなべさんの配偶者は、本当に素敵な方のようです。いつも「さりげない優しさ」を与えてくれる感じの人で。彼女が自分の「つい謝ってしまう癖」に気づいた時に、アドバイスしてくれた言葉、本当に素晴らしいと感心させられました(この言葉は、あえてここでは紹介しないので、気になった方は本を読んでみてください)。
 しかも「優しいだけ」の人ではないようです。ネットやスマホにはまりすぎの彼女に、「もういいかげんネットなんかやめればっ!」ときっぱり怒ってもくれるのです。彼女のほうも、これをきっかけに「キツイ言葉が飛び交うサイト」のブックマークをはずし、スマホ自体を引き出しにしまうなど、早速対応を始めるところも素晴らしいと感心しました。
 さらに「第三章 心の中も、やめてみた」の「もやもや人間関係」などにも、うん、そういうこと、あるよなーと共感させられました。
 物質的な「やめてみた」から始まって、自らを少しずつ「変えていく」ことで、より人生が楽になるだけでなく充実していく……楽しくて参考になるエッセイ漫画です。とても面白くて、あっという間に読めてしまいますので、忙しい方にもお勧めします。ぜひ読んでみてください。
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 この本には続編の『もっと、やめてみた。』もあります。
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