『人生激場』2006/7/28
三浦 しをん (著)

作家の三浦さんの日常系爆笑エッセイ集です☆
「週刊新潮」に連載されたものに、書き下ろしを加えたエッセイ集だそうですが……一週間に一度、このレベルの笑えるネタを書けるって凄いな(ため息)。もっともご本人は、冒頭の「前口上(ハードボイルド風味)」で、手っ取り早くお金持ちになる方法の一つとして、週刊少年漫画雑誌の売れっ子作家になることを考えて、それまで以上に漫画を読むことに熱中したそうですが(急いては事をしそんじるので、漫画を描く練習より先に、五十年ばかりじっくり漫画を読み込んでから、実行に着手するべきなのだそうです(笑))……今回、週刊で連載するという作業の大変さを実感してしまい、この野望を断念したのだという苦労話をなさっていましたが。
今回も妄想話が炸裂しています。例えば、バリ島に行ってしまった総統とその他一同の小芝居から始まる「本当はバリ島まで十五分」は、「本当はエアコンのリモコン行方不明」という困った状況からの精神的逃亡を図るための小芝居だったのでした(笑)。ふふ、リモコンがどうして行方不明になったのか、三浦さんの爆笑エッセイのファンには想像がつきますよね(笑……またかよ!)
ところで、「絶滅危惧単語」の中の「死語」に関する「言葉のジェネレーションギャップ」話(メンチョウ、チョンガー、よばれる、等々)は、あまりにもババくさいです! あなた、まだうら若き女性でしょうが! それにNHKのアナウンサーが「世論(せろん)」を「よろん」と呼んだことへの嘆き……「せろん」も「よろん」も、今ではどっちでも、いいことになっているんだよ! 言葉も科学知識と一緒で、「自分がかつて学んだこと」がいつまでも正しいと思ってちゃ、ダメなの! そういうのって、すごく老人っぽい説教だよ!
……ふう……だいたい、この本、面白いけど、けっこう「シモねた」もあって、たぶん一週間に一度の締切の重圧のせいだとは思うけど……うら若き女性が「下痢ネタ」「便器にはまったネタ」とか、そんな安易で下品なユーモアに走っちゃダメだろ。自重したまえ!(←すごく老人っぽい説教)。
……えー、ということで今回もとても面白いのですが、一部、下ネタやBLネタもございますので、そういうのにも寛容な方にお勧めいたします。
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