『和書:アラジン (ぶたいしかけえほん)』2011/10/6
ニルート プタピパット (著), Niroot Puttapipat (原著), よしい かずみ (翻訳)

『洋書:Aladdin(英語)』2011/10/1
Niroot Puttapipat (著)

千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の「アラジンと魔法のランプ」を題材にした、しかけ絵本です
立体的な影絵絵本ですが、一般的な「飛び出す絵本」ではなく、むしろ「奥へと広がる」感じの舞台型の影絵立体絵本です。左右の両脇に、登場人物の影絵イラストが描かれた折り返しがついていて、それを開くと、裏面に「アラジン」の物語が書いてあります。
落ち着いた色彩で影絵のように美しいイラストが、オリエンタルな雰囲気の精緻なしかけになって、千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の古典名作を鮮やかに表現しています。

「アラジンが汚れた古いランプをこすると、おそろしげな精霊があらわれました。
「わたしはランプの精です。ご主人さま、あなたのお望みを何なりとお申しつけください」。」

「アラジンと魔法のランプ」は、「賢くて勇気ある若者が、邪悪な魔法使いを打ち負かす物語」で、子どもの頃に読んだ時には、ランプの精は怖いけど、アラジンはきれいなお姫さまと幸せになって良かったなー、羨ましいなーと単純にわくわくしたのですが……大人になって読み直すと……これって、なんというか、「ドラえもん」の原型だなー、アラジンは実際にはあまり「困難の克服への努力」や「勇敢な活躍」をするわけでもないのに、ドラえもんみたいな万能のランプの精(と指輪の精)のおかげで、邪悪な魔法使いを打ち負かして、ちゃっかり美しいお姫(と中国)を手に入れてしまうんだから。しかもお姫さまが、馬車からちょっと目が合っただけの、しがないアラジンに一目ぼれするって、そんな都合のいい展開、ありえないでしょ! とツッコミをいれたくなりました(汗)。アラジンがものすごいイケメンなのか、魔法使いのアブラカダブラな怪しい力なのかのどっちかだよ、絶対! ……年取るって……夢がなくなることなんでしょうか(苦笑)。
それはともかく、このしかけ絵本は、落ち着いた色彩で描かれたオリエンタルな雰囲気の美しい立体影絵、恋もスリルもあるハッピーエンド物語のとても素敵な絵本なので、子供向けというよりも大人の女性向けのしかけ絵本だと思います。贈り物にも最適です☆

・1~2ページ目:中央には、馬車で通り過ぎるパドーラ姫と、それを見つめるアラジンと魔法使いアマジャスの影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:アラジンのイラスト、左裏:物語、右表:バドーラ姫のイラスト、右裏:物語)
・3~4ページ目:中央には、宝の洞穴の中にいるアラジン(&指輪の精)と、洞穴の外にいる魔法使いアマジャスの影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:アマジャスのイラスト、左裏:物語、右表:指輪の精のイラスト、右裏:物語)
・5~6ページ目:中央には、古いランプから現れたランプの精に驚くアラジンと母親の影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:アラジンの母親のイラスト、左裏:物語、右表:ランプの精のイラスト、右裏:物語)
・7~8ページ目:中央には、アラジンとパドーラ姫の婚礼の影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:皇帝のイラスト、左裏:物語、右表:宰相の息子ゴシャナのイラスト、右裏:物語)
・9~10ページ目:中央には、変装した魔法使いアマジャスに騙されて、古いランプを渡してしまうパドーラ姫たちの影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:変装した魔法使いアマジャスのイラスト、左裏:物語、右表:ズベディのイラスト、右裏:物語)
・11~12ページ目:中央には、中国に戻ったアラジンとパドーラ姫、アラジンの母と皇帝の影絵が立体的に表現されています。両脇には折りこみページ(左表:盛装したアラジンのイラスト、左裏:物語、右表:盛装したバドーラ姫のイラスト、右裏:物語)
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