『しをんのしおり』2005/10/28
三浦 しをん (著)
作家の三浦さんの「抱腹微苦笑ミラクルエッセイ」です☆
なんといっても、この本、まえがき(?)の「本書の効能 ~まえがきという名の推薦文~」で、はやくも爆笑させられました(笑)。その書きだしは次の通り。
「本書は、混迷深まる現代日本の政局を赤裸々に描き出したばかりでなく、若い読者諸氏の精神鍛錬の一助となるべき内容を擁し(このへんのことはあとがきを参照してください)、さらには若くない読者諸氏の縁側のお供としても最適な呑気さを兼ね備えた好著である。
思うに、三年前に教習所を卒業していらい車を運転すること数回、好物は残り物をぶちこんで作るお好み焼き、趣味はできるだけ動かずにじっとしていること、という著者の生き様は、温暖化の進む地球環境、資源の浪費、二酸化炭素の増加といった今日的な問題に対する解決策を提示していると言えよう。(以下略)」
……本の冒頭に「推薦文」があるって……いつの時代の本だよ、これ! と(本好きらしい無駄知識をさりげなく、ひけらかしつつ)ツッコミを入れたくなりました(笑)。
現代日本の政局て? 精神鍛錬て? (……苦笑……)えー、どんな内容なのは読んでのお楽しみ。今回もいろんな妄想が炸裂しています。私自身もかなりオタク体質なので(汗)、この本を読むと、「そう! そう!」と激しく相槌を打ちたくなるアホ話が満載でした。
例えば「私が最近していることといえば、「理想の高校生活づくり」だ。」という話では、「これはどういうものかをいうと、制服のデザインとか時間割とかクラス名簿および人間関係相関図とか校舎内見取り図とかを勝手に制作し、自分の頭の中で理想の高校生活を築き上げよう、という遊び」だそうで、「もしかして私、このまま女子高生フィギュアを作りはじめて、校舎のジオラマ模型も作って、もちろんデザインした制服は実際に縫製して女子高生コスプレして……という泥沼へ落ちていってしまうんじゃないかしら。」なんて話には、「高校の校舎のジオラマ模型! 女子高生フィギュア! うーん、なんて素敵!」と激しく反応し、教室や部室の机とか椅子とかは、ハセガワのをたくさん買えばいいし……などと素早く脳内計画をめぐらしてしまうのでした……。
また三浦さんが友人と始める(?)『花火大会に集うジンベエを撲滅するぞ草の根運動』は、「弟がジンベエを着て外出しそうになったら止める」というほんのささいな第一歩目から、あっという間に挫折して、
「じゃあもう草の根運動をする場所がないね」
「よし、解散!」
という展開になってしまい、どうしようもなく爆笑させてくれるのでした……この「草の根運動」から「よし、解散!」の流れ、すごく面白いから、私もいつか使ってみたいです(笑)。
こんな、おバカな話ばかりのなかに、政治の話や精神鍛錬話があったような、なかったような……な爆笑エッセイ集です。「笑わない」覚悟を決めて精神鍛錬に活かすなど、ぜひ各自工夫の上、有意義に活用してくださるよう、お願いします。
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