『宇宙・天文で働く (なるにはBOOKS 補巻)』2018/10/10
本田 隆行 (著)

宇宙開発や天文にかかわる仕事を紹介してくれる本です。実際に宇宙や天文に関する仕事をしている方へのインタビューを通して、彼らの仕事の内容や、その仕事に就くことになった経緯などを紹介してくれるので、これから「宇宙」にかかわる仕事をしたいと思っている方の参考になると思います。
「宇宙」なんて遠い世界だと思っていましたが、宇宙開発や天文にかかわる仕事にはいろいろなものがあるんですね! ロケットや人工衛星を開発するエンジニア、科学館やプラネタリウムのスタッフなどなど……さまざまな分野で「宇宙」とつながる人たちの活躍を紹介してくれます。内容は次の通りです。
1)ロケット技術者(株式会社 IHI)
2)人工衛星技術者(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
3)精密部品の技術者(株式会社 由紀精密)
4)天体望遠鏡の開発者(ビクセン株式会社)
5)スペースガードセンター研究員(日本スペースガード協会)
6)天文雑誌・ソフトウェア制作者(株式会社アストロアーツ)
7)プラネタリウム技術者(コニカミノルタプラネタリウム)
8)科学館学芸員(バンドー神戸青少年科学館)
9)人工衛星の広報(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
10)天文イラストレーター(スペースアートクリエーター)

宇宙の仕事というと、すぐに思い浮かぶのはアメリカのNASAとか、日本のJAXAでしたが(汗)、それ以外にも、天体望遠鏡とか、天文雑誌とか、科学館とか、いろんな仕事を知ることができました。
この本で初めて知ったのが、「スペースガードセンター研究員」。スペースガードというのは、大規模な災害を起こす可能性のある「地球に接近する小惑星を見張る」仕事だそうで、実際に日本では、日本スペースガード協会が岡山県井原市にある美星スペースガードセンターで日夜監視業務にあたっているそうです。監視対象は、地球に接近する小惑星の他、地球の軌道上にある使い終わった人工衛星、ロケットやその破片の宇宙ゴミ(スペースデブリ)」などで、データから得られた情報をJAXAに提供しているそうです。そういうのって、天文台の仕事なのかと思っていました……(汗)。
また天文イラストレーターの池下さんは、パソコンを使って趣味で描いていた絵を自分のホームページにあげたことが、現在の仕事に繋がったとか。
全体としては、理系の大学に進学した方が多かったようですが、雑誌制作や広報など、文系でも「宇宙・天文」に関わる仕事に就くことが出来るようです。
科学技術はどんどん進んでいるので、「宇宙」は私たちにとって、どんどん身近な存在になっていくのでしょう。まさに「フロンティア」って感じですね☆ 「宇宙・天文」に関する仕事がしたいと考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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