『ミシンでつくるプレゼント・カード―古布と紙とミシン糸のコラージュ』2009/11
樋口 薫 (著)

紙の台紙に古布やミシン糸で模様をコラージュして、プレゼント・カードを作る方法を教えてくれる本です。飛び出すなどの「しかけ」はないのですが、ミシンでカードに模様をつけるという発想が面白いと感じたので、紹介させていただきます。
著者の樋口さんは、いつもミシンがそばにあり、カラフルなミシン糸を絵の具として使うようになって、布だけでなく紙も縫うようになったのだとか(笑)。考えてみると、手芸が趣味の方は、洋服や小物などを作った後に、変な形の端切れが大量に残ってしまうわけで、これを再利用してカードにするというのは、すごくいいアイデアなのではないかと思います。
それでも私ならば、布をカードの模様に使うことを思いついても、可愛い形に切った布を接着剤で紙に貼りつけるだけだと思いますが、ミシンに慣れている人だと、接着剤ではなくミシンを貼り(縫い)つけに使ってしまうんですね(笑)。布をミシンで縫い付けているカードというのは、あまり市販されていないか、市販されていても少数販売の高価なものが多いと思うので、珍しさと手作り感があって、すごく素敵なのではないでしょうか。
内容は本の前半2/3ぐらいが作品紹介のカラー写真で、後半が材料や道具、作り方説明と型紙でした。ただ……作り方説明はあまり詳しくなく、ミシンでの縫い方説明もないので、少なくとも一応はミシンがすでに使える人でないと、この本だけで作ることは難しいのではないかと思います。
作り方のポイントとしては、「薄い布の端切れには裏に接着芯を貼っておく」、「配置したら糊で仮止めしておく」、「ミシンをかける際、縫い始めと縫い終りは返し縫いをする」、「カードの紙は二枚重ねにする(模様をつけた台紙の紙の裏にはミシン目がついてしまうので、もう一枚の紙を重ねて裏面を隠す)」、「紙を折るときは、トランサーなどで折筋をつけてから折る」、「紙は質感がわかるような表面がでこぼこしているものを選ぶと、さらに素敵になる」などでしょうか。なお、紙にミシンをかける時には、下手にかけると紙がぼろぼろになってしまうので、テストや練習用の紙を準備して、本番用のカードを作る前に、ミシンのかけかたを調整するといいと思います。
手芸が得意な方にとっては、「古い端切れ」の活用法のヒントになると思います。ぜひ一度、眺めてみてください。