『上司の すごいしかけ』2006/3/1
白潟 敏朗 (著)

1000社以上で絶大な効果を上げた、社員をやる気にさせる20の「シンプルしかけ」を教えてくれる本です。どれも「かんたんに実行」できることばかりなのに、「ばつぐんの効果」を得ることができて、だからこそ、「らくらく継続」ができる、すごいしかけです。
例えば、第1章 「やりたいことができる」の最初のしかけ、「1 やりたいことをやろう」の方法は、なんと「社長や上司が社員に対して「やりたいことをやろう」と常に言う」だけ。こんなに簡単なことなのに効果があるそうです(笑)。
そして次の「2 やりたいことアンケート」の方法は、「アンケートで社員がやりたいことを正直に書いてもらう」。……これって書かされることがあっても、実現はしないんだろうな、自然消滅してくんだろう……なーんて思っていましたが(汗)、この本には、「みんなでアンケート結果をもちよって全員参加で(希望のかなえ方を)決める」という方法が書いてありました。アンケートの「内容をオープンにする」ことで、決めた後にしこりが残らないし、半年我慢すればつぎはオレの番、というように他の社員にも可能性が出てくるかもしれない、というのです。……なるほど。
……という感じで、やろうと思えば今日からでもやれそうな「シンプルしかけ」を具体的に教えてもらえます。
個人的には、「11 パワーアップシート」が特に参考になりました。まず目標や達成するためにやるべきことを記入し、最初の達成状況チェック日に達成度合いをチェック、最終目標が達成できていない時には、次回のチェック予定日を決めて、またその日に達成度合いをチェック……というシンプルな用紙ですが、「次のチェック予定日は目標の達成の内容に合わせて時期を設定することが肝心」なのだそうです。……うーん確かに。この手の「目標&達成シート」って、業績評価のために半年毎とかの決まった時期に一斉に行うことが多いように思いますが、それだと達成時期と合わなくて、「未達ですがここまで行きました。次回は頑張ります」みたいな曖昧な報告になってしまう→だんだん「未達」慣れしてしまう→しだいに形骸化していく……という流れになりがちのような気がします(汗)。自分で「次回のチェック予定日を決める」ようにすると、達成への意欲が変わってきそう。この「パワーアップシート」を使っていくと、「いつの間にか社員の目標管理能力がみちがえるほどアップする」効果があるという話に、すごく説得力を感じました。
これらの「シンプルしかけ」はどれから始めてもOKだそうですが、白潟さんのお勧めは、「がんばった社員に対して朝礼などでパチパチと拍手で表彰をする」から始めることだそうです。これは「シンプルしかけ」の中でも、ひときわ超「かんたん実行」なのに、効果は抜群のようです。
「シンプルなのに効果がある」20の方法を、具体的に教えてくれる本でした。社員をやる気にさせたいと考えている管理職の方は、読んでみてください☆