『交通事故を7割減らすたった2つの習慣』2013/5/23
江上喜朗 (著), 松永勝也 (監修)

「交通事故を7割減らすたった2つの習慣」を具体的に教えてくれる本です。
「交通事故により、年間約4600人が死亡し、約69万人が負傷しています。(中略)これらの事故件数がこれからも発生し続け、人生70年と仮定すると、一生の間に3~4人に1人は人身事故を経験し、約400人に1人は死亡することになります。」なのだとか! 交通事故は本当に他人事ではありません。
ところが、たった2つの習慣を心掛けることで、そんな交通事故を大幅に減らすことが出来るのだとか。その習慣とは、ずばり「車間距離を十分とる」こと、「一時停止をきちんとする」こと……なーんだ、当たり前のことだな、と感じるかもしれませんが、この本を読んで、この2つは本当にとても重要だとしみじみ痛感させられました。
交通事故の85%以上は、車両と車両の衝突で発生しています。免許の更新研修などで、衝突事故の再現ビデオなどを見せられると、うわ! こんな状況が自分に起こったら怖いなーと思う一方、危機的な状況の中、瞬間的にハンドル操作で対応できるだろうか……と不安になるばかりでした(汗)。
でも「車間距離を十分とっていれば」、危機的な状況でも、ハンドル操作で回避できる時間を確保できるのです。しかも「急には止まれない車」を、ブレーキで止めるための時間も当然確保できます。だから常に「車間距離を十分とる」ことが大事なのですね! しかも「車間距離を十分とる」ことは、実は、渋滞防止にも役に立つのだとか。(ちなみに「どの程度」とればいいかも、この本には具体的に書いてありました。ぜひ読んでみて下さい)
そしてもう一つの習慣は、「一時停止をきちんとする」こと。これに関しては、私自身もかつて間違った考え方を持っていました。それは、「一時停止の線の前で一時停止するのは、交通事故を防ぐため」で、「一時停止線の前で、一度だけ停止する」のだという勘違い。これ自体はあまり間違っていませんし、自動車学校でも、このように教えられたので、「一時停止線の前で止まって、左右を確認して、大丈夫なら発進する」のだと盲信していたのですが、たいていの場合、一時停止線で止まっても左右の状況が見えないんですよね……だから一時停止線ではスピードを緩めるだけで、ついその前まで進んでから、左右が確認できる場所で止まってしまっていたのですが、これは大間違いなのだそうです。なぜなら「見通しの悪い道路では、一時停止は二度するべき」だからです。
つまり「一時停止線のある場所で、まず一時停止する」。このことで、自分の車のスピードを十分落とせるだけでなく、「優先側の道路にいる車や人に自分の車の鼻先を見せて警戒させる」のです。
ここで自分側から左右が十分見通せたら、そのまま進んでいいのですが、一時停止線で左右が見通せなかったら、「見通せる場所までゆっくり進んで、二度目の一時停止する」、というのが正しい習慣なのでした。
「一時停止」に関して、かつての私と同じ勘違いをしている人はすごく多いと思いますが、交通事故を減らすためにも、見通しの悪い場所では「一時停止は二度やる」ことを、ぜひ習慣化して欲しいと思います(自動車学校などでも、このように指導して欲しいと思います)。
この本には、他にも「車間距離をつめてしまう人間の心理」とか、「バックの事故を防ぐための方法」とか、参考になる情報がいっぱい詰まっています。それなのに、イラストや表を多用した分かりやすい説明(ページ数はたったの89ページ)で、価格も650円+税という低価格です。30分~1時間で読めてしまうので、みなさん、ぜひ読んでみて下さい。「車間距離」「一時停止」を心掛けることで、みんなで交通事故を減らしましょう☆