『40代からの住まいリセット術―人生が変わる家、3つの法則 (生活人新書 329)』2010/10/7
水越 美枝子 (著)
「動線」「収納」「インテリア」、この3つのポイントを押さえれば、自分らしい生き方ができる家をつくることができる……家づくりに最も大切なものは何かを考えさせてくれる本です。
ちょっと前は「いかに収納するか」を教えてくれる本が多かったので、自分が持っている大量の物を「見えないところに収納スペースを作って」、「仕切りで収納スペースを増やして」、効率よく収納することで安心していた方も多かったのではないでしょうか(汗……私もそうです)。
ところが最近は、その真逆の「いかに捨てるか」が流行っていて……そう言えば……出しにくい(見えない)場所にしまいこんだモノって、そんなモノがあったことすら忘れて、結局は放置されてしまっているような……という反省と、モノをきちんと活用していない罪悪感、焦燥感を抱きながらも、実際には面倒くさくてそのまま……という状態になっていました(汗)。
この本は、「そもそも住まいはどうあるべきか」について考えさせてくれます。人を幸せにしてくれる家とは、暮らしやすい家。つまり自分たちの生きる「動線」を出来るだけ短くし、適所適量の収納があり、見た目も美しい(見苦しくない)家を作るべきだということなのです。
そして「適所適量の収納」のためには、すべてのモノを見直して、「使うもの」「二軍スペースで待機させるもの」「処分するもの」に分けるといいそうです。
ここで個人的に最も参考になったのは、「捨ててもいいかもボックス」を作ったという話。捨てるのが平気だというタイプではないという水越さんの苦肉の策だったそうですが、私も最近、このような役割をする棚を得たことで、物の仕分けが楽になったことを実感させられました。廊下の壁全体に浅い収納棚(扉つき)があると、そこを大きな「捨ててもいいかもボックス」として活用できることに気がついたのです。読み終わった雑誌などリサイクルに出す前の一時的保管庫として使用できるのはもちろんのこと、防災用にも使える保存食や買い置きの食料庫、日常に使用する量を超えて持っているタオルなどの贈答品、もったいなくて捨てられない何か、等のいろんなものを気軽に収納できます。これ、すごく便利なので、もしも廊下など家族共用で使えるスペースに余裕がある方は、その壁に、天井まで届く奥行きの浅い棚を作ってみてください。見苦しさが気になる方は、扉をつけてもいいし、簡単にカーテンで隠すことも出来ると思います。そこに皆が自分の「捨ててもいいかも」品を持ち寄って、そこにあるものなら自由に「使い捨ての材料」に使っていいことにしておくと、不要な物を整理しやすくなるだけでなく、有効活用を図りやすいと思います。
『40代からの住まいリセット術』。40代ぐらいになると自分の生活リズムや習慣が出来つつあると思うので、自分にとって暮らしやすい動線や、日常生活に必要なものは何があって、動線のどこに置いてあると都合がいいかが分かってくると思います。「楽に暮らせる居心地のいい家にする」ために、どうすればいいかを考えるために、この本を参考にしてみてください。