『ゾクゾク・ストリート (とびだししかけえほん)』2010/6
クリスティーン タッグ (著), Christine Tag (原著), Charles Fuge (原著), & 1 その他
お化けに悪霊、モンスターたちがゾクゾク登場してくる『ゾクゾク・ストリート』のしかけ絵本です。このイカしたタイトルは、怖くて震える「ゾクソク」と、どんどん出てくる「ゾクゾク」の両方を意味している……なんてことは言わなくてもいいことだな(笑)。
夏にぴったりのホラー系しかけ絵本ですが、怖いモンスターたちが、どこかユーモラスなので、あんまり怖くない素敵な絵本です。アメリカンな、ハロウィンっぽい感じ。
個人的に一番楽しいと思ったのは、最初の仕掛け「ミイラの親子の散歩」。ページを開くと、ベビーカーの幌が開いてミイラの子供たちが顔を見せるのですが、「サッ」という紙が擦れる音とともに幌が開いて、その中からミイラの子供たちが顔を見せるという二段階の仕掛けが、すごく効果的に使われていて感心させられました。
大きく「飛び出す」仕掛けが多くて、とても見応えがあるのですが、一部に「動く」しかけも取り入れられていて、技法的にも見どころが多い絵本だと思います。ページを開くと、ドラキュラがジュースを飲むしかけも面白いと感じました。
しかもこの絵本、これだけ見応えがあって、なんと1,900円+税という低価格(2010年第一刷)。ホラー好きの方には、お勧めの絵本です☆
・表紙:鍵の形に空いた穴から何か怖いものが見えています。
・1~2ページ目:月夜のモンスターのイラスト(表紙から見えていた怖いものの正体)。
・3~4ページ目:ミイラの親子の散歩。ページを開くと、ベビーカーの幌が開いてミイラの子供たちが顔を見せます(逆方向に開く楽しい仕掛け)。
・5~6ページ目:読書する魔法使いが飛び出します(本からヒキガエルが飛び出てきます)。
・7~8ページ目:窓を掃除するお化け蜘蛛が、手足を伸ばして飛び出してきます。
・9~10ページ目:動物病院のフランケンシュタイン医師が、ペンチ片手に飛び出してきます。
・11~12ページ目:洗濯機のそばにあるのはシーツかと思ったら……シーツみたいなお化けが飛び出してきます。
・13~14ページ目:飛び出してきた大口を開けた植物お化けが、目を動かして口を閉じます。
・15~16ページ目:オオカミ男の郵便配達員が、上を向きながらポストに手を伸ばします。
・17~18ページ目:ドラキュラ・カフェの食事風景。ページを開くと、料理人たちが飛び出してきて、ドラキュラが血のジュースを飲みます。
・19~20ページ目:本当に怖いものの正体とは……。ページを開くと、本当に怖いやつがモンスターの頭を脱いで正体を現します(笑)。