『④手づくり和紙・和紙アート 和紙をつくってみよう (世界遺産になった和紙)』2015/7/22
こどもくらぶ (著, 編集)

「世界遺産になった和紙」シリーズ4作目で、牛乳パックなどを利用して、実際に自分で和紙を作る方法を丁寧に紹介してくれます。
さて、無形文化遺産になった和紙の里は、島根県の石州半紙、岐阜県の本美濃紙、埼玉県の細川紙で、これらは国の重要無形文化財にも指定されているのですが、この他、福井県の越前奉書、高知県の土佐典具帖紙、兵庫県の名塩雁皮紙の3つも、国の重要無形文化財に指定されているそうです。これらの和紙の産地・技術はずっと残って欲しいと思いますし、その周辺の和紙の産地・技術を支援する核の役割も果たしてくれることを願っています。そしてこの本も、技術の継承に役だっていくものと思います。
この本では、そんな「和紙」を自分で作る方法を教えてくれます。
「手漉き和紙(コウゾ)のつくり方」では、「原料づくり」から和紙の作り方を写真で教えてくれるのですが、ここでは「ネリをつくる」方法も解説されていました。「和紙づくり」というと、原料が入った水を簀ですくって紙を漉くという映像はよく見るのですが、その原料が入った水(舟水というそうです)。に、原料や水とともに入れる「ネリ(粘液)」のことは、あまりテレビなどで見たことはありませんでした。「ネリ」は次のように作るそうです。
「ネリはトロロアオイという植物の根などからつくります。槌でたたきつぶした根を冷水にひたし、手で軽くかきまぜてから木綿袋に入れ、粘液をしぼりだします。この粘液がネリです。」
もっとも、この本の後半で教えてくれる「自分で和紙を作る方法」では、さすがにこの「ネリ」は使わないので、トロロアオイなどを探す必要はないようです(笑)。牛乳パックなどから葉書大の紙を作る方法を教えてもらえるのですが……ネリの役割を果たしているのは、もしかして台所中性洗剤なのでしょうか?(汗……よく分かりませんが)。意外に簡単に出来るようです。ちなみに牛乳パックではなく、原料として、タンポポやススキ、たまねぎの皮などを使っても、同じような方法で作ることが出来るそうです(こちらでは、なぜか台所中性洗剤を使っていませんが……)。
自分で作った「和紙」は、葉書やカードにすることも出来ますが、和紙でアート作品を作る方法もありました。和紙で球体状のペンダントライトを作る方法としては、膨らませた風船に、ちぎった和紙(書道半紙など)を濡らして、あいだが重なるようにはりつけていき、日陰において完全に乾かした後、安全ピンで風船を割ると……丸い形の和紙のボール(ペンダントライト)ができるのだとか。風船を割るのが怖いので、やってみる気はありませんが……和紙ボールの中だから、意外に安全に割れるのかも?
自分で和紙や和紙アートを作ってみたい方は、ぜひ読んでみてください。