『脳も体も冴えわたる1分仮眠法 (だいわ文庫)』2016/8/10
坪田 聡 (著)
寝不足でウトウトしてしまう「使えない時間」を減らして、脳も体もシャープな「質の高い時間」を増やす「1分仮眠」の方法を教えてくれる本です。
正直に言って「仮眠」は苦手で、眠くてたまらない時に「昼寝」をしてしまうと、ゆうに1~2時間は眠ってしまいます(汗)。でも、こんなに長く眠ってしまうと、今度は夜の眠りが浅くなってしまうんですよね(汗、汗)。だから最近はなるべく「仮眠」をしないように心掛けていました。
でもこの本を読んで、なぜそうなのかが腑に落ちたような気がします。実は、睡眠のサイクルは90分なのだそうです。そうか、それですごく眠い時に横になってしまうと、あっと言う間に1~2時間も経ってしまうのか……昼寝の後は、眠気も取れてスッキリするので、これはむしろ「良い眠り」の一種だったのかもなーとも感じました。
それでも職場などでは、この手は絶対に使えませんよね(笑)。「1分仮眠」では、「横になる」と本当に眠ってしまう可能性があるので、「横になってはいけない」ようです。「座る」などの状態で、目を閉じてリラックスするのが「1分仮眠」なのだとか。特に「目をつぶって1分間、外の世界からの視覚情報をシャットアウトする」ことが大事なようです。脳にとって、目から入ってくる視覚情報は大きな負担なので、「目を休める」だけで「脳を休息させる」ことが出来るそうです。
なるほど。日中「すごく眠く」なった時には、体を動かすストレッチなどで対処していましたが、これからは、リラックスした姿勢で机に突っ伏して、1分目をつぶって頭をからっぽにしてみようと思います(なお仮眠を30分以上取るのは、かえって良くないようです)。
さて、この本の一番良いところは、教えてくれるのが「1分仮眠」法だけではないところ。「良い睡眠のとり方」も、じっくり教えてくれるのです。本当に、頭と体をすっきり冴えた状態を持続させるには、「夜」に良い睡眠を取るのが、やはり一番良いからです。というのも、睡眠時間が十分でないと、壊れた細胞の修復が十分できなかったり、免疫力が低下したり、脳内物質やホルモンの乱れが起きたり、扁桃体の機能低下で感情的にキレやすくなったりと、良くないことがたくさん起こってくるから。そして私たちの細胞の修復や新しい細胞の生成を促す成長ホルモンの分泌のピークは、夜の10時から夜中の2時の間なのだそうです。
そして「夜ぐっすり眠り・朝すっきり起きる」ためには、「いつも同じ時刻に起きる」「眠くなってから布団に入る」ことを心がけ、朝は「規則正しい生活を続けるために、1日に1回、体内時計をリセットする(太陽などの強い光を浴びる)」ことと「朝食を食べる(水を飲む)」ことを行い、夜は「「深部体温」を下げてやる」ために、お風呂に入るか軽い運動をすると良いようです。……個人的には「1分仮眠」法よりも、これらの「夜の睡眠法」の方が役に立ちそうな気がしました(笑)。
「良い睡眠」は、毎日を元気に生きるために、本当に大事だと思います。夜にぐっすり眠ることを基本とした上で、日中に眠くなったら、「1分仮眠」を活用すると良いのではないでしょうか。