『怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?』2023/3/19
森 勇磨 (著)

 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すための予防医学を教えてくれる本です。
第1章は病気になった後の世界、第2章は人が病気になる仕組み、そして第3章は大病を避ける方法について解説されています。さらに付録として、健康診断で気になる項目の詳しい解説と、病名別索引もついています。
「第1章 病気になった後 五臓六腑を失った後の世界」は、かなり怖いです。ここでは、病気になった人たちの目線で、症例別に12のストーリーが紹介されています。腎臓を失ったあとの世界(人工透析)、肺が硬くなってしまったあとの世界(COPD(慢性閉塞性肺疾患))、胃を切除した世界(胃がん、ダンピング症候群)、人工肛門をつけた世界(大腸がん)などなど……。病気になると、いかに大変かが痛感できます(涙)。
 糖尿病で失明することがあるのが謎だったのですが、この章で、その理由を知ることが出来ました。
「(前略)糖尿病は血管を傷つける病気で、目の血管を傷つけ視力が低下する“糖尿病網膜症”は、非常に代表的な合併症なのだそうだ。」
 ……糖尿病で「血管が傷つく」からだったんですね!
 次の「第2章 病気になるしくみ 人間の体の中で起きていること」では、どのような行動をしたら、体の中で何が起き、どのように大病を患っていくのかについて、人体の構造とともに解説してくれるだけでなく、日々実践できる各病気の「予防方法」も教えてくれます。
 なんと日本人の10人に1人が胆石もち(!)だそうで、胆石も脂肪肝も、肥満対策が第一なのだとか。肥満はいろんな病気につながりやすいので、そういう意味でも食事や運動に気をつけたほうが良いようです。
 また個人的に一番怖いのが認知症。これには、「教育」、「難聴」、「高血圧」、「肥満」、「喫煙」、「うつ病」、「社会的孤立」、「運動不足」、「糖尿病」、「過度の飲酒」、「頭部外傷」、「大気汚染」の12の原因があるのだとか……肥満や喫煙も認知症につながることがあるんですね! ちなみに脳を守るためには、“動脈硬化予防”と“五感”を活用するのが良いようです。
 健康のためには、「トランス脂肪酸の摂取を避ける」とか、「地中海食」など、ごく一般的に健康に良いと言われている食事法が勧められていましたが、ちょっと意外だったのは、「ヴィーガン(完全菜食主義)」は必ずしも健康に良いとは言えないと指摘されていたこと。野菜にはビタミンDが少なく、ヘム鉄も少ないからだそうですが……健康のためには、やっぱり色んな食材をバランス良く食べるのが良いようです。
 そして最後の「第3章 大病を避ける方法」では、QA方式で、大病を避け、健康寿命を延ばしていく方法を解説してくれます。そのうちの一部を簡単に紹介すると以下のような感じ。
・昼寝は1時間以上を習慣にすると認知症のリスクがあがるかもしれない。30分以内にすべき。
・7時間睡眠が最も死亡率が低いというデータあり。
・血圧は起きた時と寝る前の2回測定がベスト。運動不足や過剰な飲酒、塩分摂取を避ける。
・1日に10分の運動でも健康効果あり
 など。
 運動については、次のようにも書いてありました。
「筋肉は、収縮することで代謝経路が活性化して、筋肉の細胞に糖分を取り込むパワーがアップします。だから、筋肉がしっかりあることが糖尿病の予防や改善につながるわけです。」
「カルシウムを意識的に摂取するだけでなく、昼間お日様の下でウィーキングやジョギングなど、地面から足に刺激を受ける運動をすることが、骨の健康を保つためには不可欠です。」
 ……やっぱり人生100年「死ぬまで健康」を目指すためには、「運動」「食事」「睡眠」がとても大事なんですね……えーと、これらについては、すでに知っていましたが、「やっぱりそうなんだ!」と再確認できたので、今後も今の生活スタイルを続けていこうと思っています(笑)。
『怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?』について、イラストを使って分かりやすく教えてくれる本でした。結果的には、他の一般的な健康本と同じような方法ばかりではありましたが(笑)、「予防医学」の観点から再確認できるので、健康長寿を目指したい方は、ぜひ読んでみてください。
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