『2.5次元をあそぶきりおこしペーパークラフト』1998/6/1
黒須 和清 (著)

 一枚の紙をカッターで切り起こし、切り離さず、他からつけ加えずに、その紙の上で立体をつくるのが「切り起こしペーパークラフト」。テディ・ベアや弥勒菩薩、ピサの斜塔など、これが一枚の紙で出来ているの?と驚くような素晴らしい作品の作り方を教えてくれます。
 楽器演奏が好きなので、表紙のピアノとリコーダーに目が釘付けになり、これが「切り起こし」なの?……うわー、すごく素敵だなー、とわくわくさせられました。
これらの表紙の作品は、すべて作り方が掲載されているだけでなく、なんとリコーダーについては、「切り離してそのまま使えるカラー台紙」がついているので、簡単に作ることが出来ます。「切り離してそのまま使えるカラー台紙」は、リコーダーの他に、ヘルクレスオオカブトもあります。
 ほとんどの作品は、組み合わせたり貼り付けたりして3次元になるものなので、2次元に戻すのはちょっと大変なのですが、「トビダシザウルス」という作品だけは、飛び出すカード形式になっているので、開いたり閉じたりするだけで、2次元と3次元を行き来します。
 切り起こし作品は、切り起こした後の「ぬけ跡」が影のように周辺に残るのですが、その部分もうまく活かしてあります。
 例えば、ぬけ跡に色画用紙や千代紙を入れてデザイン化しているもの。へえー、こうやると簡単にいろんなバリエーションがつけられるんだなーと感心しました。
 さらに凄いのが、ぬけ跡が、なんと他の作品になっている(!)もの。カニのぬけ跡がニワトリになるものとか、マンドリンのぬけ跡がワニになるものとか、さらには船の波しぶきになっているものとか……「スニーカーと蝶」なんかは、スニーカーの造形自体もカッコいいのに、そのぬけ跡も素敵で……本当に感動してしまいました。
 また「カーネーションとゾウ」という作品は、むしろぬけ跡の「カーネーション」がメインだったのでは?と思わされるほどの出来栄えのもの。母の日の贈り物にも使えそう。
 最終ページには、「この本の作例で使った紙の特徴」として、どの作品にどういう紙が使われているかについて、詳しい説明があります。例えば「ピサの斜塔」は「LKカラー」という紙で、表はツヤのあるカラー面、うらはケント紙風の白で、どちらの面もコピー可能だそうです。このページの解説は、これから紙工作を始めたい方には、とても参考になると思います。
 なおコピーできない紙の場合は、図面をコピーして作品用の紙にセロハンテープでとめて、2枚一緒に切ると良いそうで、このような作品作りのヒント解説もあります。
 切り起こすと3次元に、作品をバラすとまた1枚の紙に戻る……平面(2次元)と立体(3次元)の間を行ったり来たりできるので、「2.5次元」だそうですが、あまりにも素敵な作品ばかりで本当に驚きでした。この本を知ったのはつい最近(2023年)でしたが、ちょっと古い本(1998発行)なので、残念ながら、すでに入手困難になっているようです。私は幸運にも購入できましたが……。(一応、以下の商品リンクで紹介しています)。図書館などで見かけたら、ぜひ眺めてみてください☆
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