『幻想仮面の作り方 妖しく美しい異形の仮面コレクション (HJ幻想クラフトシリーズ)』2021/3/31
綺想造形蒐集室 (著)

『TOKYOマスクフェスティバル』で人気のハンドクラフト作家をはじめ、国内外で活躍する仮面作家・造形作家による美しく妖しい作品の数々を紹介してくれるだけでなく、フルカラー写真で、その制作テクニックの丁寧な解説までしてくれる本です。
 紹介してもらえる作品の一部は、表紙写真にあるような凄いクオリティのものですが……これらは自分で作れる感じがまったくしませんでした(写真を使っての詳しい作り方説明はありますが)。それでも、そのテクニックが分かるので、すごく参考になります。
 さて本書の最初に登場するのは、表紙写真よりちょっぴり原始的な(素朴な)仮面作品。その「基本の仮面の作り方」が写真付きで紹介されていました。
「基本」の最初は「市販の仮面をカスタマイズする」方法で、100円ショップで購入できるようなプラスチック製の無地の仮面に、布や半紙、粘土やアクリル絵の具などを使って、幻想的な仮面を作るというもの。……これなら作れそう☆
 続いて「ゼロから仮面を作る方法」。その大まかな制作の流れと素材は次の通りです。
1)土台を作る
(新聞紙、発泡スチロール製ヘッドマネキン、石膏など)
2)粘土で原型を作る
(土粘土、紙粘土、石粉粘土、樹脂粘土など)
3)紙を貼って張り子を作る
(1層目:和紙、新聞紙など薄い紙
2層目:クラフト紙
3層目:布(伸縮性がないもの)
4層目:厚手の紙(繊維が多いもの))
4)張り子を彩色する
(アクリル絵の具など)
   *
「ゼロから仮面を作る方法」も写真を使って詳しく説明してありましたが……発泡スチロール製ヘッドマネキンを用意するぐらいなら、さっきの市販の仮面を用意した方が良くない? と思ってしまいました(笑)。だって……身につけるための「仮面」を作るなら、要するに「顔」に合う形の土台をどうにかして作らなければならないはずで……市販の仮面をそのまま使うか、形の一部を壊すなどして使うかした方が、ゼロから作るより簡単で失敗も少なそうに感じました(笑)。でも、「ゼロから仮面を作る方法」は、その技法を「市販の仮面をカスタマイズする」にも応用できるので、そういう意味でとても参考になります。
 例えば、ここでは「仮面の裏側の目元に網戸用の網(黒)」を貼っているのですが、それは「仮面の目の部分から被っている人の目を見えにくくする」ための工夫なのです。……なるほど……仮面の下から見える「目」って、お互いに何か気まずいものですよね(苦笑)。
 その後は、いよいよ「仮面作品集&製作技法」として、表紙写真の素敵な仮面たちの作り方紹介が始まります。
 例えば、この中では一番作ってみたくなったのが、表紙左上の「機械狐」。スチームパンクっぽい狐面ですが、なんとこの仮面の土台は発砲スタイロフォームやスポンジシート、スポンジゴムシートなどを使っているのです! そこに付けている機械っぽい部品には、浄水器のシャワーヘッドとか、浄水器の首振り機構とか、おもちゃのトランペットとか意外なものが使われています。……こんな感じで、仮面の材料、塗料、接着剤や道具・工具などが写真で紹介された後、造形する過程が写真を使って詳しく解説されていきます。こんな風に作っているんだーと興味津々な内容ですが……とにかくプロの仕事で、素人がそのまま真似できそうにない感じでした(部分的な技法は参考にできそうですが)。大変な手間と工程を経て、このような作品が出来上がっていたんですね……。
 そして表紙右下の、映画やゲームに出てきそうな超絶幻想的な美麗ハーフマスクは、モデリングソフト+3Dプリンターで作られています。まさに「超絶美しい仮面」です(ため息)。

 さらに表紙中央下のエスニックな模様も素晴らしいアイベックスの仮面は、油粘土NSPクレイを原型に使っていて、仮面の材料の方は石粉粘土ラドールプレミックス、胡粉ジェッソ、和紙、アルミ箔などでした……もの凄い造形力に圧倒されます。うーん……こんなの作れたら、いいですね……壁に飾ったら、部屋のイメージががらっと変わってしまいそうですが……というか、その場合は、これに合わせて部屋を模様替えすべきなのでしょう……。
 妖しく美しい『幻想仮面の作り方』を詳しく教えてくれる本でした。仮面好きの方、コスプレ衣装を制作している方はもちろん、工作好きの方も、ぜひ眺めてみてください。
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