『間取りのすごい新常識』2020/12/25
いまどきの間取りの傾向から、暮らしやすい家をつくるための動線・収納計画まで、「住みやすい間取り」の秘訣を、たくさん教えてくれる本です。
Part1は、いまどき間取りの新常識。「平屋」「小さな家」「土間」「ワンルーム」「テレビの置き場所」など、間取りのトレンドを紹介してくれます。
Part2は、13種の動線から考える間取り。キッチン、洗濯、身支度、帰宅、子ども、快眠、ご近所付き合い、アウトドア、犬、お年寄り、ポスト、薪ストーブ、おもてなしの13動線から、いろんな使いやすいレイアウト例をイラストで紹介してくれます。例えば、キッチンの場合、なんと8つものレイアウト実例を、平面図と実際の写真で見ることが出来るので、自分の家のレイアウトを考えるのに参考になると思います。
Part3は、タテにもつながる間取りのルール。吹き抜け、高低差、階段下、平屋のロフト、トイレなど、より快適になる、問題を解決するレイアウト例を、平面図と写真で見ることができます。
最後のPart4は、間取りを生かす収納のつくり方。玄関やリビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣室、廊下、外からも使える収納の具体例を、平面図と写真で見ることができます。
その他、「巻末付録:スッキリ収めるモノのサイズ事典」もあります。
「住みやすい間取り」のたくさんの実例を、平面図と写真で見られるのが、とても良かったです。
いまどきの間取りの「平屋」では、「中庭」や「ロフト」など、考えたこともなかったアイデアを知ることもできました。平屋は採光の確保が難しいことが多いそうですが、中庭があれば、家全体に十分な光を取り込めるそうです。また平屋では、家の中心部が暗くなったり、空気が澱んだりしがちなので、建物中央にロフトとハイサイドライトを設ければ、高い位置からの採光を得られるとともに、重力換気もできるのだとか。
そして、すごく使えそうだと感じたのが、「土間」。広めの玄関に土間を設けると、いろんな使い道がありそうです。例えば、自転車などの収納の他、ガーデニングやアウトドア用品の収納、犬小屋とか、さらにはご近所づきあいのための場所にするなど、参考になるアイデアがいっぱい。
また広めの廊下や縁側はスペースの無駄遣いのような気がしていましたが、壁面収納を作ることで共有スペースとして利用できるだけでなく、必要になった場合には、それを撤去して「車椅子」動線用にも活用できそうです。その他にも、エレベーターの設置スペースとか、お年寄り専用のトイレに転用する場所としても使えそう。広めの廊下もいいかもなーという感じで、理想の間取りを考えていくと、どんどん「大きな広い家」になってしまいそう……(汗)。うーむ。「小さな家」の方が、コストがかからない上、動線もコンパクトになるはずなのですが……。うーむ。
いろんな間取りの実例を見ることが出来て、とても参考になる本でした。家を建てる予定はまだありませんが、こういう本を読むと、夢が広がりますね(笑)。個人的には、近隣への音漏れを防げる楽器練習用スペースや、運動用スペースなどの例も見たかったと思います。(グランドピアノを玄関土間に設置した例はありましたが、「玄関は道路に面しているので、音で隣家に迷惑をかける心配もない」とは言っても、道路には音が響いてしまいますよね……)。
さまざまなアイデアがとても参考になるので、家を建てようと考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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