『そのまま豆本 はじめての手製本編』2020/10/17
赤井都 (著)
豆本17作品を簡単に作ることが出来る、まさに『そのまま豆本 はじめての手製本編』です。この本のページ(用紙)を切って、作り方説明通りに組立てるだけで、なんと手の平サイズの豆本(ミニチュアブック)が簡単に作れてしまうのです。
作ることの出来る作品は、表紙写真に載っているような素敵なデザインの本ばかり。宮沢賢治の『やまなし』などの文芸豆本から、トランク型の立体的なアートブックまで、バリエーションも豊かで、楽しく作れます。
しかも「本づくりの基本」も実習できてしまうのです。
最初に「豆本作りの基本」として、道具紹介と基本の作業があります(作り方だけでなく、簡単な修理の仕方まで教えてくれます)。これで「本の作り方」の基本が分かるだけでなく、本にするためには、用紙にどのようにページを配置しなければいけないかを、実際の文芸作品を使って理解できるのです。
例えば、宮沢賢治の『やまなし』は、豆本本文のページが8ページずつ(両面で16ページ)、この本の1ページに印刷されていて、それを切って使うのですが、印刷方向がばらばらで、このまま読むのは超大変(笑)。ところが指定通りに切って製本すると……お洒落な豆本になって、とても読みやすくなります(この本は「帯」まであって、本当に書店に並んでいる本みたいです)。
ああー、本って、こんな風に作ってるんだ、と実感できて、ちょっと感動ものです☆
これ以外にも、素敵な花の図鑑風の豆本とか、トランク入りアコーディオン折り本とか、さらには赤井さんのオリジナル小説の豆本とか、いろんな内容・タイプの豆本を、すごく簡単に作ることが出来て、とっても楽しいペーパークラフト(製本)の本でした。内容がまったく書いていない豆本もあって、これには内容を手書きして誰かへのプレゼントカード(豆本)として使えます。その他にもサイコロ型豆本など、書店では買えない感じの本もあって、すごく楽しめます。本が好きな人には、お宝になりそうな豆本ばかりです☆
ただし、豆本を作るためには、この本のページを切ってしまわないといけないので、本自体も残してまた読みたいという方は、二冊買う必要があります(両面印刷や、紙の厚みの違うものが必要になるなど、コピーして使うのはかなり難しいと思います)。
豆本作りを実習できる、とても楽しくて素敵な本です。ぜひ手にとって見てください。そして作ってみてください。お勧めです☆
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