『5分間リアル脱出ゲーム人生』2019/12/25
SCRAP (著)
いつでもどこでも手軽にSCRAPのリアル脱出ゲームの興奮が味わえる「5分間リアル脱出ゲーム」シリーズの第3弾です。
……第3弾ですが、タイトルは『5分間リアル脱出ゲーム 人生』としか書いてなかったので、第3弾とは知らないまま購入してしまいました。第1、2弾をやったことがないどころか、難しいと評判の「参加型謎解きイベント」の「リアル脱出ゲーム」に参加したこともないのですが、それでも問題なく楽しむことができました。(実はSCRAPの本はずっと前に購入したものが数冊あるのですが、「難問」という評判に、「時間がかかりすぎるパズルは、したくないな」と怖気づいていて、いまだに積読状態になっています(汗)……いつか、このサイトで紹介できるといいのですが……(汗))
今回(第3弾)の5分間リアル脱出ゲームのテーマは「人生」で、「いつかどこかで起こった人生における物語を、謎やパズルを通して体験できる短いゲーム」が10本収録されています。たとえば1本目はこんな感じ。
「1 密室トイレからの脱出
今日は高校の卒業式。僕は卒業生代表として答辞を読むことになっていた。しかし、突然トイレに行きたくなり、式を抜けて校舎へ向かう。用を足し、落ち着いたところで、外からガタンという音が響いた。あわててドアを開けようとすると開かない。完全に閉じ込められてしまった! このままでは答辞に間に合わなくなってしまう! 早くこのトイレから脱出しなくては……!」
こんな状況で、トイレの覗き穴から見える4つの問題を解き、さらに(1本目の)最終問題を解くことで危機から脱出するのです(笑)。同じように、幼少時代、学生時代、社会人生活など、シチューションごとにさまざまな趣向を凝らした「謎」が10本出され、気楽に解くことができました。
「気楽に」とは言っても、残念ながら1本5分以内で解けたわけではありません(汗)。SCRAPの「謎」に慣れていないせいなのかもしれませんが、私の苦手な「鏡」や「回転させて組み合わせる地図」など、空間把握能力の高い人向けの謎が多かったからです。そのせいで、なんかイヤな汗をかきつつ、結局は紙に1つずつ鏡面反転させたものを書きだすことになって、無駄に時間をかけさせられたという「面倒くさい作業ゲー」部分もありました(個人の感想です)。
それでも大半の謎は「短時間で解ける」「頭を使う」ものが多くて知的爽快感を味わえるもので、全体としてはとても楽しめました。巻末には、ちゃんと数段階のヒントと解答もついているので、「え? 問題の意味がよく分からない……」と感じた時には、ヒントを読めば自力で解答を導き出せると思います。
そして、10本の謎を解き明かした後には、お約束の「最終問題」がありました。これはかなりの難問の上に、本全体をもう一度読み直さないといけない感じなので、絶対に5分では解けません。しかも本全体(カバーも帯も)を使うので、絶対に「帯」も捨ててはいけません。(私は「帯」を捨てがちなので、危ないところでした……)。
ちなみに最終問題の答えは、本には掲載されていないので、Webで確かめる必要があります。Webに確かめに行ったら「ヒント」があったので、一応見ておこうとクリックしましたが……十段階ぐらいのヒントに「ネタバレ」がみっちり書いてあったので、「最終問題」のクリアに悩んでいる方は、ぜひWebを見に行ってみましょう。自分の個人情報を書き込む必要もなく、びっくりするほど惜しみなく詳しいヒントを与えてもらえます(2020年8月現在)。
……ところでこの本、初版第一刷の場合は、問題の解答につながる重要な情報部分で数個の誤植があります。「正誤表」がついているので、初版の方は、絶対にそれを見てください。ないと解答できません。
空間把握が苦手な私にとっては、残念ながら、それほど「短時間で楽しめる」本ではありませんでしたが、知的爽快感が味わえる気持ちいい難易度のパズルを楽しめる本でした。SCRAPファンの方はもちろん、鏡や地図問題が得意だというパズル好きの方には、特にお勧めします☆
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