『天文学の図鑑 (まなびのずかん)』2015/5/8
池田 圭一 (著), 縣 秀彦 (監修)
天文学について、分かりやすく体系的に解説してくれるカラー図鑑です。
四季の星座、地球から見た太陽や月の動き、太陽系の惑星、恒星の種類や一生、銀河の形成、宇宙の構造などなど、天文学について総合的に学べます。青少年向けの本のようで、説明が分かりやすく、図やイラストも豊富なので、子どもから大人まで楽しく学べる本だと思います。
「第1章 天体の動きとこよみ」の「夜空に見える星座」では、「南半球ではオリオン座が逆立ちして見える」という事実に驚かされました(汗)。星座の星ってすごく遠いから、南半球でも同じように見えるのかと勘違いしていましたが……分かりやすいイラストで、間違いを正してもらえました。確かに……星座に対する北半球での立ち位置と南半球での立ち位置では、お互いに逆立ちしているような状態になるのだから、星座が逆立ちして見えるのですね。
また「月の動きと満ち欠け」とか、「太陽の周りを公転する地球」とかは、混乱しがちな自転周期や地軸の傾きが、イラスト入りで解説されていたので、分からなくなった時も、これを読めば安心です(笑)。
こんな感じで、「第2章 太陽・地球・月と太陽系の星たち」、「第3章 恒星の世界を知ろう!」、「第4章 天の川銀河から宇宙の果てへ」では、身近な太陽系の星から、宇宙の果てまで、幅広い天文の知識をイラストで分かりやすく学ぶことが出来ました。
びっくりしたのが、「第4章 天の川銀河から宇宙の果てへ」の中のコラム「アンドロメダ銀河の接近」。天の川銀河の隣、地球から約230万光年離れたところにあるアンドロメダ銀河(M31)は、互いの重力に引かれて接近中で、およそ40億年後には両者が衝突する可能性があるのだとか! ……えーっと太陽系の形成って、46億年前ぐらいに始まったんですよね? それより短い期間でそんな凄いことが始まっちゃうの? 大丈夫かよ……と心配になりましたが……考えてみたら、まだまだ、ずーっと先のことだった(笑)。それにしても……夜空の星って、いつも同じように輝いていて「不動」のような気がしていましたが、よく見ると、超新星爆発しているやつがいたり、ブラックホールが隠れていたり……物凄いイベントがあちこちで発生しているんですね。……宇宙は生きているんだなあ。
天文学を分かりやすく総合的に学べる図鑑でした。とても参考になるので、読んでみて下さい☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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