『ライフハック大全――人生と仕事を変える小さな習慣250』2017/11/16
堀 正岳 (著)

 仕事、日常生活において「効率を高め、快適にする工夫」=「ハック」の数々を紹介してくれる本です。一例をあげると、次のようなワザです。
「SECTION 00 始めよう「人生を変える7つのライフハック」」
001:人生を変えるなら、時間の使い方を極端にする
002:決断するスピードを加速する
003:言葉を換えれば性格は変えられる
004:すべての場所にメモとペンを持ち歩く
005:心の中のヒーローに悩みを打ち明ける
006:機会にはすべて「イエス」と言う
007:小さな習慣で、毎日を「小さな勝利」にする
「SECTION 01 時間管理「時間は増やせる」」
008:時間は分・秒までを正確に意識する
009:1)タイマーを常に持ち歩く
010:2)メールにかける時間は1分を基本に
011:3)電話に使う時間は3分が限度
012:4)時間差で使えるメディアを意識する
013:時間の見積もりは必ず失敗することを想定して2倍にする
014:RescueTimeで時間を「見える化」する
015:24時間テンプレートを作ってみよう
016:通勤時間を見直すために引っ越しを検討する
017:自分の黄金時間にドラゴン(最難関タスク)を倒す
018:メールを朝1番に見てはいけない
019:プランニングは日・週・月に分けて別々に
020:すべての予定はクラウドにまとめる
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 こんな感じに、全部で250もの小技をまとめて教えてもらえるのです(時間管理についても、もっと多くの小技があります)。
 新しく社会人になる若い方にとっては、すごく参考になる「ちょっとした技術」を学べると思います。
 すでに自己啓発書や仕事術の本を何冊も読んでいる中堅社会人の方にとっては、割と一般的だと感じるものが多いかもしれませんが(汗)、とにかく「総合的・網羅的」にまとめてあるので、ざっと斜め読みすることで、自分の「工夫力」の棚卸しが出来るのではないでしょうか。きっといくつか、マネしてみたくなるものがあると思います。
 個人的に参考になったのは、以下のようなものでした。
「024:ロード時間とセーブ時間を意識する(1日とはじめと終わりに、ゲームのようなロード(スケジュールチェック、作業見積もり)時間、セーブ(翌日のスケジュールチェックなど)時間をとる)」
「033:5分間だけ取り組み「ダンジョンの大きさ」を測る(失敗への恐怖が大きいときは、とりあえず5分だけやってみよう)」
「172:嫌な人の言動はハンロンの剃刀を通してみる(愚かさで十分説明されることに悪意を見出すな)」
「176:フランクリン効果で相手の好意を引き出す(たとえ嫌いな相手でも、頼みごとをされて親切にすると、その行為を正当化するために、相手を無意識に信頼してしまうようになる)」
「242:AI時代に向けて仕事を投げる訓練をしておく(KaorisanなどのVA(バーチャル・アシスタント)を利用すると、オンラインで仕事を依頼するために必要なタスクの明確化や、仕事の投げ方というスキルが高まる)」
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 一日の始まりと終わりに「ロード時間とセーブ時間」を取る、というのは面白い上に合理的な考えだなーと感心させられました。
 またAIサービスを日常的に活用することで、自分の仕事を効率化できるとともに、「AIとの分業に慣れておく」ことが出来るというのも、いい観点だなと感じました。正直に言って、AIスピーカーなどは、「スパイ(犯罪者)に悪用されるかもしれない」と警戒しているので積極的に利用しようとは思っていませんでしたが、未来社会がAIとの分業へ向かうことは間違いないとも考えているので、その状態を先取りして試してみる、という意味で、何らかのAIサービスを活用してみるべきなのかもしれません。
 仕事を楽にし、人生を楽しむための「ちいさなヒント」をまとめて教えてくれる本でした。仕事をより効率化したいと思っている方は、何かしらヒントを得られるかもしれません。読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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